研究課題/領域番号 |
26463473
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研究機関 | 日本赤十字看護大学 |
研究代表者 |
坂口 千鶴 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (60248862)
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研究分担者 |
筒井 真優美 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (50236915)
逸見 功 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (50173563)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 認知障害 / 高齢者 / 看護師 / 倫理的な苦悩 / 自己への認識 / 意思決定 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、医療機関で認知障害のある高齢患者の看護に携わる看護師を対象に、倫理的な苦悩について明らかにし、また自己の認識、自らの意思決定への認識との関係についても検討することで、看護師が倫理的苦悩を乗り越えるための教育的支援モデルを開発する一助にすることである。 平成26年においては看護師の倫理的な苦悩、自己への認識、自らの意思決定への認識の各概念を測定する日本語尺度がないため、各概念の文献検討を十分行い、その中で特に倫理的な苦悩を測定するMoral Distress Scale(以下、MDSする)、自己への認識を測定するSelf-transcendence Scale (以下、STSとする)、自らの意思決定への認識を測定するClinical Decision-Making Scale(以下、CDMNSとする)の日本語版を作成することであった。 各概念の文献検討の結果、研究の多くは、急性期病院の集中治療病棟、一般病棟、また緩和ケア病棟等に勤務する看護師を対象としており、特に高齢患者に関わる看護師を対象とした研究は、倫理的な苦悩に関する研究1件だけであった。その中で、意思決定に参加できないことが看護師の倫理的苦悩を深めることにつながっていた。また、先行研究において用いられているMDS、STS、CDMNSについて、信頼性、妥当性が確保されていることを確認した。 これらの文献結果をもとに、各MDS、STS、CDMNSについて、老年看護系研究者3名、理論や尺度開発に精通した看護系研究者1名、英語圏の大学院を修了した日本人看護師2名で日本語訳を検討した。その後、専門翻訳業者を通して医療系学問領域の専門家2名に日本語の翻訳を依頼し、その内容も含めて日本における認知障害のある高齢患者に関わる看護師に対する尺度としての内容を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究代表者が体調不良となり、休職はしなかったものの平成26年10月より医療機関での精査、同年2月から平成27年4月まで薬物療法、5月手術と治療に専念していた。そのため、平成26年度の達成目標であった各概念を測定する尺度の日本語版開発において、翻訳内容を検討する打ち合わせ等を頻回に行うことができず、日本語版の開発に遅れが出ることとなった。 本来であれば、日本語から英語の逆翻訳まで終え、予備調査を始めている段階となっていたが、現在、英語から日本語の翻訳内容を検討している段階である。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度の達成目標は、MDS、STS、CDMNSの各日本語版の開発を行い、その信頼性と妥当性の検証を行うことである。そのために、下記のとおりの計画を修正した。 1.MDS、STS、CDMNSの日本語版の開発について(平成27年4月~8月末):各スケールの日本語翻訳の検討後、専門翻訳業者を通して医療系学問領域に精通した翻訳者2名に逆翻訳を依頼する。逆翻訳の内容について研究者メンバーで検討後、尺度開発者に送り、承認を得る。 2.日本語版尺度の信頼性と妥当性の調査の実施(平成27年9月~10月末):1)研究対象者:都内近郊3カ所の総合病院に勤務する看護師で、認知障害のある高齢患者を看護した経験のある者、各100名とする。2)データ収集方法:標本抽出には簡易標 本抽出法を用いる。各病院の看護部長宛に研究計画書を同封した依頼書を送り、了承の得られた病院に直接伺って、口頭で研究内容について説明する。看護部長より承諾を得た後、看護師長会等で研究に関する全体説明会を行い、質問紙を外科系、内科系病棟の看護師に配布してもらうよう依頼する。4週間後に対象者個人による郵送にて同意を得たとする。3)データ分析方法:統計ソフトSPSSを用いて、記述的統計とともに、各尺度の信頼性についてはCronbachのα係数を用いて内的整合性を、また各尺度の妥当性については探索的因子分析、他の尺度との相関係数によって併存的妥当性、及びそれらをもとに構成概念妥当性の検証を行う。データの分析については、研究分担者である統計学の専門家のもと、適宜研究代表者、研究分担者、連携研究者で進めていく。 3.日本語版尺度の信頼性と妥当性の調査結果について(平成29年1月~3月末):調査の結果を受けて、各日本語版尺度の信頼性や妥当性に関する成果をまとめて発表する予定である。
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