研究課題/領域番号 |
26463478
|
研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
国光 恵子 (竹田恵子) 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (40265096)
|
研究分担者 |
實金 栄 岡山県立大学, 保健福祉学部, 准教授 (50468295)
白岩 千恵子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 助教 (10755797)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 高齢者 / スピリチュアルケア / 評価指標 / 看護師 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、高齢者を対象としたスピリチュアルケアシステムの構築を図ることをねらいに、看護の独自性をふまえた高齢者を対象とするスピリチュアルケアの評価指標を作成することである。平成27年度は、平成26年度の研究成果をふまえて、2つの調査を実施した。1つは、看護師による高齢患者へのスピリチュアルケアの実践を評価する尺度を開発することを目的とする質問紙調査であった。医療施設4施設の看護師1233人を対象に、基本属性とスピリチュアルケア実践について尋ねた。スピリチュアルケア実践を測定する項目は、先行研究を参考に、「スピリチュアリティを理解する」、「患者・家族の気持ちの表出を支える」、「患者を尊重したかかわり」、「他者と協同する」の4因子23項目を準備した。分析項目に欠損のない989人を分析対象とし、項目の精選を行ったのち、21項目で4因子二次因子モデルを仮定しデータへの適合度を構造方程式モデリングによる確認的因子分析で検討した。分析の結果、スピリチュアルケアの実践を評価する尺度の因子構造の側面からみた構成概念妥当性が検証された。2つは、スピリチュアルケアの評価指標作成の一資料とすることをねらいに、高齢透析患者のスピリチュアリティの状態、および看護師に期待するケアの内容を明らかにすることを目的に、透析外来をもつ3施設で外来透析を行っている高齢患者25名を対象に、「高齢者版スピリチュアリティ健康尺度」(竹田ら2007)の項目およびインタビューガイドを用いた半構成面接調査を行った。現在、高齢患者の看護師に期待するケアについての語りを分析しているところである。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
スピリチュアルケアの評価指標に関する理論的基盤の作成に向けた文献検討については、成果発表の準備中である。高齢患者を対象とした面接調査研究は引き続き分析が必要である。フィールドワークについては、訪問施設の選定および交渉が終わった段階である。また、本研究を進める中で、看護師のスピリチュアルケア実践に対する評価指標を検討するためには、高齢者自身による評価の視点が不可欠であると考えられ、一部計画の修正が必要となった。
|
今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、以下1~4の研究を進める予定である。これらの研究結果をもとに、平成28年度~29年度でスピリチュアルケアの評価指標(案)を作成し、内容妥当性、実施可能性の検討を行う予定である。なお、研究成果については、随時発表を行っていく。 1.文献検討の結果について成果発表をする。2.フィールドワークにより、スピリチュアルケア実践プロセスについての知見を得る。3.高齢患者を対象とした面接調査について分析を継続して行う。4.高齢患者を対象とした質問紙調査により、看護師が行うスピリチュアルケアに対する高齢患者の評価指標を検討する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
計画していたフィールドワークについて実施に至っていないため、フィールドワークにかかる調査旅費、および謝金等の経費が未支出となっている。
|
次年度使用額の使用計画 |
平成27年度に計画していたフィールドワーク、および新たに計画する高齢患者を対象とした質問紙調査を実施する。さらに、平成28年度に計画していた、スピリチュアルケア評価指標(案)を作成し、その内容妥当性、実施可能性について検討する。これらの研究を遂行するために、調査旅費、調査者謝金、調査票郵送費等に使用する予定である。また、研究成果の発表にかかる成果発表旅費、論文投稿料等に使用する予定である。
|