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2016 年度 実績報告書

高齢者の入浴事故予防のための安全行動モデルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 26463480
研究機関四国大学

研究代表者

奥田 泰子  四国大学, 看護学部, 教授 (30330773)

研究分担者 棚崎 由紀子  宇部フロンティア大学, 人間健康学部, 准教授 (50461356)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード入浴 / 事故予防 / 入浴環境
研究実績の概要

高齢者の入浴事故の多くは、環境の整っていない在宅に多く、事故の発生は外気温の低下する冬季に多いことが報告されている。なぜ冬季に多いのかその推察はできるが実態は明らかにされておらず、いまだ事故予防につながっていない。そこで、夏季と冬季に高齢者の実態を測定用具を用いて客観的に評価し、入浴事故予防システムの開発に着手した。昨年夏季と冬季に高齢者ボランティアの入浴の実態を調査・測定したデータをもとに、入浴事故の要因分析を行った。室温は冬季で有意に低下し、入浴時の温熱刺激の大きさが明らかである。また、浴槽の湯温にも季節間で有意差があり、冬季の平均湯温は41.5±1.2℃と循環への影響を受ける可能性が高い温度となっていた。好みの湯温にも季節間での差があり、冬季には40℃以上を好む者が多くなっていたが、入浴時間の長さには季節間での有意差はみられなかった。循環への影響については、血圧(収縮期血圧、拡張期血圧)には季節間で変動に違いがあり、冬季には脱衣室で有意な上昇がみられたが、脈拍には季節間の違いはなかった。心筋への負荷を代用する心筋酸素消費量(RPP)では季節間での変動に有意差があり、血圧と同様に脱衣室において冬季に有意な上昇を認めた。これらのことから、入浴前の脱衣室における寒冷刺激が循環機能に影響し、自律神経機能の退行性変化がある高齢者において、その変化への応答は不十分になり入浴事故が起こる可能性が示唆された。しかし、RPPの変動程度には個人差があり、その要因を分析する必要があり、現在も分析を継続している。これらの結果は、研究に協力いただいた高齢ボランティアの皆様に個別に結果報告をし、入浴事故予防への啓発を行った。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 高齢者の入浴方法、入浴環境及び入浴による循環への影響ー夏季と冬季の比較による入浴事故要因の分析ー2016

    • 著者名/発表者名
      奥田泰子、棚﨑由紀子
    • 雑誌名

      四国大学紀要自然科学編

      巻: 44 ページ: 1-9

    • 謝辞記載あり
  • [学会発表] The Seasonal Differences At-Home Bathing Methods, Environments and Effect on Circulation of Healthy Elderly People Living at Home2017

    • 著者名/発表者名
      YASUKO OKUDA
    • 学会等名
      EAFONS
    • 発表場所
      香港(中国)
    • 年月日
      2017-03-09 – 2017-03-11
    • 国際学会
  • [学会発表] 地域在住献上高齢者の入浴環境、入浴方法の季節による比較2016

    • 著者名/発表者名
      奥田泰子、棚﨑由紀子
    • 学会等名
      日本看護科学学会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム(東京都)
    • 年月日
      2016-12-10 – 2016-12-11

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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