研究課題/領域番号 |
26463487
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研究機関 | 安田女子大学 |
研究代表者 |
永井 眞由美 安田女子大学, 看護学部, 教授 (10274060)
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研究分担者 |
木子 莉瑛 熊本大学, 生命科学研究部, 講師 (40253710)
宗正 みゆき 福岡大学, 医学部, 准教授 (40309993)
東 清巳 熊本大学, 生命科学研究部, 教授 (90295113)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 高齢介護者 / 心理・社会的孤立 / 教育プログラム / 訪問看護 |
研究実績の概要 |
研究目的:本研究では、在宅で高齢者を介護している高齢介護者の心理・社会的孤立に関するアセスメント指標を作成する。 研究方法:訪問看護サービスを利用している高齢者を在宅で介護している60歳以上の介護者に自記式質問紙調査を行った。調査内容は、対象者の基本属性、心理・社会的孤立のアセスメント候補項目(25項目、4件法で評価)、及び日本語版UCLA孤独感尺度とした。本研究は、安田女子大学臨床研究倫理審査委員会の承認を得て行った。 結果:西日本3県の訪問看護ステーション681か所に研究協力を依頼し、同意の得られた139施設に介護者への調査票配付を依頼し、郵送で回収した。102名から回答があり、うち有効回答93件を分析対象とした。対象者の平均年齢は74.1±6.8歳、性別は女性78.5%、男性21.5%であった。心理・社会的アセスメント候補項目の反応分布で著しい偏りがある項目は見られなかった。25項目合計得点と各項目との相関係数で有意差がない2項目を削除し、次いで23項目のI-T(項目-全体)相関分析で相関係数が0.3未満の3項目を削除した。残りの20項目について因子分析を行い、どの因子とも関連が低い1項目を削除した。19項目についてCronbachのα係数を算出後1項目を削除し、最終的に18項目を選定した。18項目のCronbachのα係数は0.781、 UCLA孤独感尺度との相関係数は0.653(P<0.01)であった。因子分析の結果、5因子(固有値1以上、累積因子寄与率47.3%)が得られ、因子は、健康・活動能力、生活・介護力、療養者との関係性、ソーシャルサポート、心理的・情緒的反応に関するものであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、高齢介護者の心理・社会的孤立予防に関する訪問看護のための教育プログラムを開発することを最終目的としている。 初年度である平成27年度の目標は、高齢介護者の心理・社会的孤立に関するアセスメント指標を作成することであった。訪問看護ステーションの協力を得て、予定通り高齢介護者を対象に質問紙調査を実施した。訪問看護師の業務多忙、対象者が高齢などの理由で回収率は予定より低かったが、目標はほぼ達成することができた。
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今後の研究の推進方策 |
研究目的:高齢介護者の心理・社会的孤立予防に関する訪問看護師の実践能力指標を作成し、その構造を明らかにする。 研究方法:高齢介護者の心理・社会的孤立予防に関わった経験があり、訪問看護経験歴3年以上を有する訪問看護ステーションの看護師約300名を対象に自記式質問紙調査を実施する。調査内容は、対象者の基本属性、看護師の心理・社会的孤立予防における実践能力候補項目、看護実践能力に関する基準関連尺度とする。心理・社会的孤立予防に関する実践能力の候補項目は、申請者らが平成24年度の訪問看護師へのインタビュー調査で得た結果と文献から、構成概念を検討して作成する。本調査の結果は、次年度に作成する高齢介護者の心理・社会的孤立予防に関する訪問看護師への教育プログラムに活用する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
質問紙調査のデータ入力に係る研究補助への人件費・謝金を計上していたが、研究代表者がその作業を行ったため残額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度は調査票等の印刷経費を計上していなかったが、その必要が生じたため、残額を印刷費として使用する。
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