研究課題/領域番号 |
26463487
|
研究機関 | 安田女子大学 |
研究代表者 |
永井 眞由美 安田女子大学, 看護学部, 教授 (10274060)
|
研究分担者 |
東 清巳 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 教授 (90295113) [辞退]
宗正 みゆき 福岡大学, 医学部, 准教授 (40309993)
木子 莉瑛 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 講師 (40253710) [辞退]
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 高齢介護者 / 心理・社会的孤立予防 / 教育プログラム |
研究実績の概要 |
研究目的:訪問看護師を対象として「高齢介護者の心理・社会的孤立予防に関する教育プログラム」による介入を行い、その効果を評価することを目的とした。 研究方法:A県内の訪問看護ステーションに所属する訪問看護師16名を対象に、研究者らが先行研究において作成した“高齢介護者の心理・社会的孤立のアセスメントと支援モデル”(以下、モデル)を内容とする「高齢介護者の心理・社会的孤立予防に関する教育プログラム」(以下、教育プログラム)を実施した。介入は2回であり、①第1回教育(講義・事例検討)②第1回教育プログラムの学習に基づく看護実践(4ヵ月間)、③第2回教育(グループワーク;看護実践よるモデルの評価)の順に実施した。第1回教育プログラム開始前と第2回教育プログラム実施後において、訪問看護師の看護実践能力(看護婦の自律性測定尺度による)、心理・社会的孤立予防の実践能力(研究者ら作成の指標による)、および心理・社会的孤立予防に対する認識(必要性・関心度・自信;ビジュアルアナログスケールによる)を内容とする自記式質問紙調査を行った。解析にはWilcoxonの符号付き順位検定を用いた。 結果:教育プログラムの参加者数は、第1回は16名、第2回は14名であった。第2回の欠席者2名と不完全回答2名分を除き、12名のデータを分析対象とした。対象者の年齢は39歳~64歳、訪問看護経験年数は4年~18年であった。教育プログラム実施前後の比較では、看護実践能力(p<0.05)、心理・社会的孤立予防の実践能力(p<0.05)、心理・社会的孤立予防の必要性(p<0.05)、関心度(p<0.05)、自信(p<0.05)のいずれにおいても実施後の得点が有意に高く、教育プログラムの有用性が示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、訪問看護師を対象とする「高齢介護者の心理・社会的孤立予防に関する教育プログラム」を開発することを最終目的としている。平成28年度の目標は、訪問看護師へ教育プログラムを実施し、その効果を評価することであった。当初の計画通りに教育プログラムを実施し、その前後において訪問看護師の看護実践能力、心理・社会的孤立予防の実践能力、認識(必要性・関心度・自信)の変化を明らかにすることができた。対象数はやや少ないが、目標はほぼ達成することができた。
|
今後の研究の推進方策 |
研究目的:「心理・社会的孤立予防に関する教育プログラム」の実施1年後における心理・社会的孤立予防の実践状況について評価を行い、教育プログラムの洗練化を図ることを目的とする。 研究方法:平成28年度第1回教育プログラムへの参加者16名を対象として、平成28年度と同様に訪問看護師の看護実践能力、心理・社会的孤立予防の実践能力、認識(必要性・関心度・自信)について自記式質問紙調査を行い、教育介入後の継続性を評価する。また、訪問看護師の心理・社会的孤立予防に対する認識の変化やモデルの実用化における課題を質的に明らかにするため、グループ・インタビューを実施する。これらの結果を統合して、本教育プログラムの洗練化を図る。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究協力謝金支払いの対象となる人数・日数が予定より少なかったこと、及び研究支援者を雇用できなかったためである。
|
次年度使用額の使用計画 |
平成29年度は、心理・社会的孤立予防に関する教育プログラムの洗練化を行う予定である。研究の最終年度であるため、研究に際しては研究分担者や研究協力者との綿密な打合わせを行うための会議やまとめの作業の増加が予測される。残額は、会議旅費や研究支援者雇用費等として使用する予定である。
|