研究課題/領域番号 |
26463488
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
大えき 美樹 広島大学, 医歯薬保健学研究院(保), 講師 (70403392)
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研究分担者 |
高瀬 美由紀 安田女子大学, 看護学部, 教授 (50437521)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 進行がん患者 / 自覚的負担感 / self-percived burden / 在宅看護 / 家族介護 |
研究実績の概要 |
平成27年度の研究実施計画として自覚的負担感への対処方法の探求を目的とした半構造化面接法を実施した。研究対象者は自宅において家族から何らかの身体的介護を必要とした経験をもつ緩和ケア病棟入院中の進行がん患者とした。インタビューガイドに基づいて在宅療養中に家族介護者に対して負担や迷惑をかけていると感じた経験とその時の気持ち、その経験と気持ちに対する対処方法について尋ねた。各参加者に30分の面接を1回行い、インタビュー内容は参加者の許可を得て録音し逐語録とした。分析方法は内容分析を用いた。個別分析では逐語録を繰り返し読み、自覚的負担感に関する文脈を研究参加者の言葉のまま抽出した。抽出した記述内容を内容意味ごとに分割し、研究参加者の言葉を用いて本質的な意味を表すように表現しコード化を行った。全体分析では、個別分析の結果が得られた全研究参加者のコードの意味内容が類似したものを集め、共通する意味を表すようにサブカテゴリーとした。次に意味内容が類似したサブカテゴリーを集め、本質的な意味を表すように表現しカテゴリーにまとめた。分析の際には繰り返しによる分析内容の一致を確認し、内容分析の手法に精通した看護学系大学教員のスーパービジョンを受け厳密性と妥当性の確保に努めた。 なお、本研究は所属大学および、研究協力施設の倫理審査委員会の承認を得て実施した。分析対象者は研究参加への同意が得られた者14名であり、性別は男性5名、女性9名であり、平均年齢±SDは72.7±11.2歳であった。performance status(PS)は、PS4が1名、PS3が10名、PS2が3名であった。自覚的負担感への対処方法として72個のコードから13のサブカテゴリー、6のカテゴリーが導き出された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究協力施設の協力により面接の対象者の選定がスムースに行われ実施できたため。
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今後の研究の推進方策 |
自覚的負担感への対処方法尺度を完成させ、尺度の信頼性・妥当性の検証、および自覚的負担感、対処方法、精神的健康の関連性を明らかにすることを目的とした質問紙調査を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
現在、研究知識提供を受けて分析の妥当性を確保している最中であり一部の謝金使用が必要なかったため。また成果発表を計画していた国際学会での発表が一部間に合わず成果発表に関わる経費が使用できなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額について、分析は研究知識提供を受け進め分析の妥当性を確保する必要があるため研究専門知識提供者への謝金が必要となる。また国際学会等で成果発表を行い成果を発信していく必要があり成果発表に関わる経費が必要となる。
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