研究課題/領域番号 |
26463489
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
田中 久美子 愛媛大学, 医学系研究科, 准教授 (00342296)
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研究分担者 |
陶山 啓子 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (50214713)
小岡 亜希子 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50444758)
中村 五月 (形上五月) 愛媛大学, 医学系研究科, 助教 (40549317)
辻 真美 川崎医療短期大学, 医療介護福祉科, 准教授 (00551251)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 尿失禁 / 在宅要介護高齢者 / 介入時期 / 家族介護者 |
研究実績の概要 |
平成28年度から開始した聞き取り調査を平成29年度も継続して実施した。聞き取り調査の目的は、家族介護者が体験する排尿介助と困難感を明らかにすることである。対象は、A県、およびB県内で、尿失禁を有する在宅要介護高齢者(65歳以上)を介護する家族介護者とした。対象者の選定は居宅介護支援事業所に依頼した。調査に際しては、事前に事業所から対象者に研究の趣旨、および概要を説明してもらい、調査協力の内諾を得たうえで対象者宅、または指定された場所に研究者が訪問してインタビューを実施した。結果、対象者は7人で、家族介護者の性別は、男性3人、女性4人、平均年齢は、66.0歳であった。続柄は、息子が2人、娘が1人、夫が1人、妻が1人、嫁が1人、妹が1人であった。また、要介護高齢者(以下、高齢者)の性別は、男性1人、女性6人で、平均年齢は85.4歳であった。要介護度は、要介護5が3人、要介護3が3人、要介護2が1人であった。高齢者に尿失禁が出現し始めた時期は失禁の後始末することに精一杯で、尿失禁に対する戸惑いと後始末をすることに苦痛を感じていた。失禁量が増加する時期では、高齢者におむつを使用することを提案し装着の介助を行うが、高齢者がおむつの装着を拒否するため苦痛や苛立ちを感じていた。また、おむつを装着していても、日常生活の中でおむつから尿が漏れ、尿で汚染された衣類や寝具、トイレの後始末をすることに苦痛を感じていた。また、高齢者の移動能力の低下に伴い身体的介助が増加し、試行錯誤しながらトイレへの移動を介助し続けているが、家族介護者にとって介護量が増加していくことは身体的・精神的な疲弊につながっていた。
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