研究課題/領域番号 |
26463493
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
宇佐美 しおり 熊本大学, 生命科学研究部, 教授 (50295755)
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研究分担者 |
野末 聖香 慶應義塾大学, 看護学部, 教授 (10338204)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 在宅移行支援 / Transitional Care / 専門看護師 / CNS / 精神看護 |
研究実績の概要 |
今回九州管内の調査に協力の得られた精神科に勤務する看護師171名を対象に、在宅移行支援(Transitional care,TC)の実態を明らかにすることを目的とした質問紙調査を行った。質問紙はこれまでの文献検討をもとに、在宅移行の状況、アセスメント、介入と成果から構成される質問紙を研究者らが作成した。回収率70%でスタッフからの回答が最も多かった。対象の平均年齢は43歳、平均経験年数は11年、女性で最も多かった。用いた質問紙の一貫性は0.8と比較的高かった。TCのサブカテゴリー間の質問紙の状況、アセスメント、介入、成果の相関は0.4-0.6の有意な中等度の相関だった。病気によるTCの違いでは、統合失調症の患者にTCが行われていることが多く、また看護管理者が多くTCを行っていた。さらに、統合失調症患者には残存機能の維持を意識したTCが行われていた。また病棟間、職位によるTCによる違いは見られなかった。また状況、アセスメント、介入、成果の得点率は50%以上で、対象者たちはTCを意識して展開していることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初たてた研究計画にそって研究がすすみ、得られた結果も比較的目的を明らかにする結果であり、今後の研究の方向性が明確となっているため。
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今後の研究の推進方策 |
TCに関するプロトコールを作成し、プロトコールの妥当性を検討した後に、介入群と対照群で介入を行い、評価を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
対象者数が予定より不足し、また対象病院の数が減ったため次年度使用額が生じた。また国外での科研会議、セミナーに共同研究者1名の突如の事情で参加ができず、一人での参加となったこと、また対象者数が減ったことでの調査旅費が当初の予定より少なくなったために次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
介入プログラムを作成するがその際に、内容妥当性の検討を、予定以上の病院のスタッフとともに行い、介入プログラムの妥当性の検討を行う予定である。さらに、作成したプログラムの妥当性を、海外の研究協力者とともにセミナーを開催し(研究者のうちの1名が渡米)、研究への助言をもらう予定である。
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