研究課題/領域番号 |
26463495
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研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
横山 恵子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (80320670)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 家族学習会 / 精神障害 / 精神障害者家族 / 精神障害者家族会 / きょうだい / 子ども |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、精神障害を持つ人のきょうだいや子どもの立場にある家族の「家族にとっての家族による家族学習会(以下、家族学習会)」の体験を明らかにすることである。また、「家族学習会」への参加をとおして、地域の家族会に入会した、きょうだいや子どもの立場にある家族が家族会に与える影響を明らかにし、日本の家族会活性化や新たな活動への可能性を検討することである。 「家族学習会」とは、統合失調症の家族を対象に、同じ立場にある精神障害者家族会の会員が病気や障害についての正しい知識を提供し、家族自身の体験的知識を共有する、小グループで行う体系的なプログラムである。実施主体は精神障害者家族会であるため、参加者は親の立場の家族が中心である。 きょうだいや子どもの立場にある家族へのインタビュー結果から、立場による経験やニーズの違いが明らかになり、それぞれの立場での開催への期待があった。そこで、これまで来開催されなかった、子どもの立場にある方を対象とした「家族学習会」を実施することとし、子どもにとっての「家族学習会」の意味や効果を分析することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、子どもの立場にある方を対象とした「家族学習会」を開催するにあたり、「子どもの立場の家族学習会セミナー」を5月に開催した。さらに、9月に「家族学習会セミナー」のフォローアップセミナーを開催して、「家族学習会」の担当者と参加者の希望を募った。10月には担当者6人に対して、「家族学習会担当者研修会」を行った。その際、子どもにあったオリジナルテキストを作成、5人の参加者を招いて、11月から2月にかけて「子どもの立場の家族学習会(5回連続講座)」を実施した。 家族学習会の前後にアンケート調査を実施、また、終了後に担当者と参加者、それぞれに対してグループインタビューを行った。子どもにとっての「家族学習会」の意味や効果を分析しているところである。
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今後の研究の推進方策 |
来年度も、子どもの立場にある方を対象とした「家族学習会セミナー(5月)」を開催して参加者を募り、「子どもの立場の家族学習会(5回連続講座)」を開催する予定である。担当者に関しては、昨年の担当者及び参加者から希望者を募る。また、8月に開催されるコンボ主催の「リカバリーフォーラム」の分科会を実施する予定である。その際、全国に広く呼び掛け、子どもの繋がる場とする。今後、「家族学習会」を経験した子どもたちを中心として、子どものグループを作ることを支援していく。また、「子どもの立場の家族学習会」の継続開催に向けた検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度と同様に、次年度も子どもの立ち場の家族学習会を実施予定である。活動の拡大に伴い、参加者が増えるため、今年度は1グループであったが、次年度は2グループの予定である。研究協力への謝金や会場費、調査費等が増える可能性があり、一部持ち越した。
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次年度使用額の使用計画 |
研究協力への謝金や調査費に使用する。
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