研究課題/領域番号 |
26463498
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
福山 由美 佐賀大学, 医学部, 准教授 (40529426)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 在宅看護 / 在宅医療 / 予期せぬ入院 |
研究実績の概要 |
本研究は、在宅療養者の予期せぬ入院回避を揺るぎないものとする訪問看護実践指標の開発と、実践評価可能な介入モデルの構築を図る基礎的研究を3年間で行う予定である。 平成27年度は2年目にあたり、予期せぬ入院(計画的な入院ではない者、急変した者)を経験した在宅療養者とその家族を対象に、急変を起こし入院に至った際の予兆の有無や、急変時の体調の変化、その要因として考えられる内容について明らかにすることを目的としインタビュー調査を行った。 調査対象は、65歳以上の在宅療養高齢者(主要疾患が、循環器疾患、呼吸器疾患のいずれかに罹患している者)で認知症の診断がなく入退院歴がある者を対象とした。調査協力が得られた在宅療養者は5名であった。 対象者の平均年齢は80.4歳、性別は男性2名、女性3名であった。5名の対象者の急変から入院に至るまでの様子について、得られたデータを分析した結果、58のコードが抽出された。類似性や関連性により分類を行うと、41の小カテゴリー、22の中カテゴリー、6つの大カテゴリー(中カテ22項目、小カテ41項目)【1.急性病態症状の出現】【2.自分の取るべき行動に対しての理解不足】【3.治療を受けていることによる自己の健康への過信】【4.日常生活の継続】【5.在宅サービスを利用していることでの安心感】【6.療養者の生活信条】が導き出された。 今回の調査より、急変が起こった際に自覚症状を感じていても在宅療養高齢者自身での受診につながりにくいということ、さらには、予兆を捉えていても療養者の我慢しがちな性格などが受診の妨げとなっていることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
勤務先移転に伴い、質的研究から量的研究を行う準備が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度に行った、急変を経験した在宅療養者のインタビューをもとに、在宅における予期せぬ入院事例を作成し、在宅介護職、看護職におけるアセスメントの視点の違いを量的調査にて明らかにしていく予定である。なお、量的調査の方法は、インターネットサーベィを行うと回収率が悪くなるようであるため、郵送法にて行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
勤務先変更に伴い、質的研究から量的研究の準備に時間を要してしまった。
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次年度使用額の使用計画 |
最終年度にあたるため、調査対象県である三重県における在宅介護職、看護職に対して量的調査を行う予定である。また、最終年度に当たり、国際学会での発表、投稿、また、ホームページを作成し、本調査の結果を広く公表していく予定である。
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