研究課題/領域番号 |
26463505
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
半澤 節子 自治医科大学, 看護学部, 教授 (50325677)
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研究分担者 |
小池 純子 自治医科大学, 看護学部, 助教 (00617467)
永井 優子 自治医科大学, 看護学部, 教授 (40237491)
千葉 理恵 自治医科大学, 看護学部, 講師 (50645075)
宮城 純子 名古屋市立大学, 看護学部, 准教授 (60433893)
石井 慎一郎 自治医科大学, 看護学部, 助教 (80724997)
中根 秀之 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (90274795)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 精神科看護師 / 行動制限 / モラル / 臨床判断 |
研究実績の概要 |
本研究は、患者(統合失調症者の仮想事例)に対する隔離・身体拘束といった行動制限に対する臨床判断について評価し、臨床現場に形成されたモラルとの関連を検討することで、我が国の精神科看護師の認知行動様式に影響を及ぼす、マクロな社会構造的な側面についての解明を試み、統合失調症者に対する精神科医療施設内外の新たな支援モデルを見出すことを目的とする。 初年度となる平成26年度は、研究計画の第1段階を進行させることを目標に研究活動を展開した。具体的には、研究代表者及び研究分担者の関連する精神科病院の看護部、精神科看護師の職能団体、学術団体などと本研究テーマ、研究目的などについて情報交換を行い、精神科病院に勤務している精神科看護師を対象に、A.臨床現場に形成されたモラル、B.隔離・身体拘束の必要性、あるいは解除の必要性の認識や行動パターンをテーマに、情報交換を行った。その結果、九州及び沖縄における3か所の精神科病院を訪問し、身体拘束や薬物による過鎮静に対する精神科看護師の認識などについて、情報を得ることができた。 次年度は、これらの情報をまとめた上で、隔離・身体拘束に対する臨床現場に形成されたモラルに関する評価尺度の作成に向けて研究活動を展開する予定である。また、病棟の機能(救急病棟、急性期病棟、療養病棟、医療観察法病棟等)、入院時の入院形態が「措置入院」による患者割合といった環境因子についても、A.臨床現場に形成されたモラル、B.隔離・身体拘束の必要性、あるいは解除の必要性の認識や行動パターンに関与する可能性について検討を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者及び研究分担者の関連する精神科病院の看護部、精神科看護師の職能団体、学術団体などと連携し、本研究テーマと研究目的について相談し、有意義な情報交換を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
初年度の研究活動により、当初想定していた①病棟の機能(救急病棟、急性期病棟、療養病棟、医療観察法病棟等)、②入院時の入院形態が「措置入院」による患者の占める割合など『患者の特性に関連する病棟における「環境要因」』のほかに、③精神科看護に対する動機づけ、リーダーシップをとる人がいるといった『精神科看護師の職場環境に関連する「環境要因」』が、精神科看護師のモラルや臨床判断に対して何らかの関与がみられる可能性についても考慮する必要性があると考えられた。次年度の情報交換に際して、この点を検討課題としてさらなる情報交換を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度の関連施設との連絡調整に時間を必要としたため、実際に情報交換のために出張する次期が遅れてしまったと考えられる。
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次年度使用額の使用計画 |
前年度に引き続いて情報交換のための出張旅費として支出する。
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