研究課題/領域番号 |
26463507
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研究機関 | 湘南医療大学 |
研究代表者 |
片山 典子 湘南医療大学, 保健医療学部看護学科, 准教授 (40612502)
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研究分担者 |
荒木田 美香子 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 教授 (50303558)
川野 雅資 山陽学園大学, 看護学研究科, 教授 (80169747) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 青年期統合失調症 / 臨界期 / 訪問看護ケア |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、初回精神病エピソードから5年以内の臨界期(以下、臨界期)の青年期統合失調症者の訪問ケアをしている看護職を対象にケア実践を明らかにし、「青年期統合失調症者の臨界期における訪問看護ケアリスト」(以下、ケアリスト)を作成し、信頼性・妥当性の検証を確認したうえで、ケアリストを開発する。本研究では、さらにケアリストを実践で活用し、効果を実証的に検証することを目的とする。臨界期は、最も脆弱性が高く、自傷や自殺、触法行為、再発、家族機能の低下などさまざまな問題が生じやすい時期であり、「治療中断」を防ぐことは患者や家族の安寧の維持や、患者の地域生活の維持にもつながることであり、本研究の意義といえる。 26年度は、臨界期の青年期統合失調症者の訪問ケアを行っている看護職を対象にケア実践を明らかにし、それをもとに8領域、34中項目、221小項目を作成した。 27年度は、作成したケアリスト(26年度計画)をホームページなどの公開されている情報をもとに3,926施設に郵送で調査目的・方法を文書で説明し、同意を得られた171名を対象にデルファイ法調査を行った。デルファイ法で得られた結果は、合意率が80%以下の項目に対して内容の検討と修正を行った。さらに有識者アドバイザリーチームによる内容検討をくり返し行い、ケアリストを開発した。 今年度の研究としては、開発したケアリスト(27年度計画)の信頼性・妥当性の検証を実践の訪問看護ケアを行う場で実証的に検証することを予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
27年度計画で遅れた部分であったケアリストの開発が28年度計画に影響し、信頼性・妥当性の検証を実践の訪問看護ケアを行う場で実証的に検証するための協力施設の確保に時間を要している。時間を要した理由としては、青年期統合失症者の訪問ケアを行っている施設が少ないことや当学の倫理審査委員会、各対象施設の倫理委員会の承認を得る必要がああった。現在、研究協力施設が少ないため公開されている情報をもとに研究協力施設を増やしている段階である。また研究代表者の研究施設の異動や教員の欠員に伴い、学内業務の多大な負担も影響している。
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今後の研究の推進方策 |
現在進行している開発したケアリストの実証的検証は、統計的な分析を行う予定である。そのためには、分析に耐えうるサンプル数の確保が必要である。またケアリストの実証的検証には、ケア項目の実施頻度やケアの対象者の社会行動評価(Social Behavioral Schedule;SBS)、機能の全体的評価(Global Assessment of Functioning;GAF)も合わせて分析するため、各研究対象施設内に研究協力者をおき、ケアリストの効果を実践の訪問ケアを行う場で実証的に検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
28年度計画は、開発したケアリストの信頼性・妥当性の検証を実践の訪問看護ケアを行う場で実証的に検証する予定であった。しかし、研究協力施設の確保に時間を要している。時間を要した理由として青年期統合失症者の訪問ケアを行っている施設が少ないことや当学の倫理審査委員会、各対象施設の倫理委員会の承認を得る必要があるために時間を要した。今年度は、研究機関を延長し、研究協力施設を増やしていく。そのため、研究依頼、調査用紙の郵送費、データ入力の委託費等にあてる298,564円が次年度使用額として生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
28年度持ち越し額298,564円は、研究協力施設を増やしていくための研究依頼、調査用紙の郵送費、データ入力の委託費等にあてる計画である。
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