研究課題/領域番号 |
26463508
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
大金 ひろみ 杏林大学, 保健学部, 准教授 (60305696)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | アクションリサーチ / 看取り / 緩和ケア / 住民参加 / 在宅ホスピス / 地域ケア |
研究実績の概要 |
1)専門職と素人による地域での看取りについてのアクションプランの実践 緩和ケア病棟で活動する音読ボランティア、看護師、医師、介護支援専門員、看護学生、素人によるワークショップを開催し、「看取りのケアの縁側づくり」を担う素人についてのラーニングを得た。すなわち、医療福祉の専門職と素人との中間的な活動者であり、医療福祉の専門職とは異なるアプローチによってその人本来の日常生活を実現することへの支援ができる人、ケアチームのメンバーとともに新たなケア提供の場を作り出すスキルを持つ人である。今後の課題として、医療福祉の専門職がどのようにこのような人材を見出していくか、また、ともに地域の力となれるような協働のあり方を検討することが挙げられる。 2)「看取りのケアの縁側づくり」のための看護職育成についてのアクションプランの実践 新卒者と既卒者の訪問看護師教育の経験者、病棟看護師、訪問看護師、素人によるワークショップを開催した。この結果、病棟看護師が看護師としての経験年数を最も重要視しており、このことが訪問看護師として働くことへのハードルになっている可能性があること、複数の訪問看護事業所と大学のような教育機関との協働による訪問看護師の育成が重要であることなどの示唆が得られた。 3)研究成果の発表 医療福祉の専門職と素人との本音の対話を通して得られた学びである、地域での看取りにおいて医療福祉の専門職・素人の立場を離れて交流する場、異なるコミュニティに属する人が往来できる場である「縁側」の必要性、看護における「縁側」の意義について学会発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成26年度に予定していた2つの研究実施計画のうち、1)地域住民による交流活動とのコラボレーションについては日程的に研究者の参加が難しく、具体的なアクションプランにつながりにくかった。このため研究者及びコアメンバーでの振り返りもできなかった。2)地域住民、地域と大学病院の専門職とのワークショップについては、アクションプランを立案し、実践につなげることができた。 研究成果の一部を発表したことにより、今後の研究活動の方向性に対して示唆が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度に得られた研究成果から、地域での看取りのケアの縁側をつくることのできる医療福祉の専門職と素人を育成することに焦点を当てた研究活動を行っていく。これまでの研究活動から、地域での看取りをテーマにした医療福祉の専門職と素人による本音の対話が本研究の基盤となることが示唆さ確認できるつあることから、これに関するアクションプランを立案、実践する。どのような方法で実践することが両者の教育になっていくか、研究者及び研究協力者との振り返りを行ってラーニングを取り出すとともに、「看取りのケアの縁側」のコンセプトを精錬化していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた計画の一部が実施できなかったため、これに伴う費用が計上されなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度のアクションプラン立案、実施において使用する。
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