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2017 年度 実績報告書

循環器科における「段階的ケア・モデルに基づくせん妄ケア介入システム」の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26463510
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

山内 典子  東京女子医科大学, 看護学部, 臨床講師 (10517436)

研究分担者 田中 美恵子  東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (10171802)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワードせん妄ケアシステム / 看護師 / 急性期病院
研究実績の概要

本年度は「急性期病院におけるせん妄ケアのシステム構築の要素と構造」をテーマに、平成27年にインタビュー調査した結果を論文化し、以下の内容で公表した。
1.方法:平成27年、所属組織で先駆的にせん妄ケアの普及を図る専門看護師、認定看護師、看護教員18名に対し、せん妄ケアのシステムの導入を図るまでの背景と経緯、現状について半構造化面接を行った。その後、逐語録からせん妄ケアのシステム構築の要素に関連するデータを整理し、抽象度を上げて集約、構造化した。
2.結果および考察:せん妄ケアのシステムを構築する要素は8カテゴリーに集約された。これをアクションリサーチの観点から考察した結果【せん妄ケアの現状への問題意識と改善への意欲・関心】【多部門との協働による組織的なせん妄対策の推進】【せん妄対策の包括的なプログラムの導入と運用】【プログラムの定着に向けた同職種・他職種チームの有機的な協働】という流れがあり、これはせん妄ケアのプログラムを普及、定着するために必要なシステムであった。一方で【実践知の共有とケアの効果の実感】の分かち合いと【せん妄ケアの質の維持の困難への懸念】の気づきから学ぶプロセスも、その場の状況に合わせて対応するために重要なシステムであった。ここで培われた【せん妄ケアの現状への問題意識と改善への意欲・関心】は【エビデンスの集積と先駆的な研究の取り組み・公表】を喚起させ【得られた知見の活用】からプログラムの改善、豊かな実践につなげるという円環的な構造を成立させていた。
3.結論:急性期病院におけるせん妄ケアのシステムの構築の要素と構造は、リアクティブなプロセスとプロアクティブなプロセス、双方のシステムに則って円環的に動いていることが明らかになった。アクションリサーチとして、これらの方法論的なプロセスを認識してシステムの構築に取り組むことは、せん妄ケアの発展に寄与する可能性がある。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 急性期病院におけるせん妄ケアのシステム構築の要素と構造2018

    • 著者名/発表者名
      山内典子 小泉雅子 安田妙子 三村千弦 渡邉直美
    • 雑誌名

      東京女子医科大学看護学会誌

      巻: 13 ページ: 1-12

    • 査読あり
  • [学会発表] 当施設の一般病棟と集中治療室おけるせん妄発症のリスク因子2017

    • 著者名/発表者名
      山内典子 安田妙子 筒井順子 西村勝治
    • 学会等名
      第30回日本総合病院精神医学会総会
  • [学会発表] せん妄を発症した患者の経験への理解のあり方 -患者、家族、看護師、それぞれの経験に関する文献検討より-2017

    • 著者名/発表者名
      山内典子
    • 学会等名
      第13回東京女子医科大学看護学会
  • [学会発表] 東京女子医大版・多職種によるせん妄ケア活動の拡がり2017

    • 著者名/発表者名
      山内典子
    • 学会等名
      東京女子医科大学精神医学アカデミー学術講演会
    • 招待講演
  • [図書] 退院後の生活を見据えた高齢者ケア 包括的アセスメントと健康障害へのアプローチ  第2章 高齢者が抱える健康障害の予防とケア 精神症状 せん妄2017

    • 著者名/発表者名
      山内典子
    • 総ページ数
      158
    • 出版者
      メヂカルフレンド社
    • ISBN
      0449-7520
  • [図書] 地域・在宅ケアに役立つせん妄の必須知識と対策 せん妄のなぜ? 診断・治療から予防まで なぜせん妄には看護ケアが重要なのか2017

    • 著者名/発表者名
      山内典子
    • 総ページ数
      104
    • 出版者
      新興医学出版社
    • ISBN
      0913-7963

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公開日: 2018-12-17  

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