研究課題/領域番号 |
26463511
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研究機関 | 新潟青陵大学 |
研究代表者 |
斎藤 まさ子 新潟青陵大学, 看護福祉学部, 教授 (50440459)
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研究分担者 |
本間 恵美子 新潟青陵大学, その他の研究科, 教授 (80219245)
内藤 守 新潟青陵大学, 看護福祉学部, 助教 (80410249)
藤野 清美 新潟青陵大学, 看護福祉学部, 助手 (20719504)
田辺 生子 新潟青陵大学, 看護福祉学部, 助手 (30524722)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ひきこもる青年 / 社会参加の要因 / ひきこもり親の会 / 面接調査 / 修正版グラウンデッドセオリーアプローチ / 居場所 / ソーシャルサポート |
研究実績の概要 |
本研究は、ひきこもり親の会の参加者を対象とした支援プログラムの効果について、モデルグループを対象に実践し、エビデンスベースに基づいた総合的な評価により、実効性の高いプログラムを提示することを目的としている。平成26年度はひきこもる青年の行動的変化の評価基準を作成するために、ひきこもり経験者を対象とした面接調査の実施とその内容の分析を開始し、その一部を学会で発表した。 県内外の居場所など中間施設に通うひきこもり経験者28名を対象とした面接調査を実施した。当初は20名の予定であったが、協力者が増えたことで、より深い分析が可能になると考えられる。 まず、ひきこもる青年が一歩社会に出るために何が影響しているのか、その要因について13名を対象とした面接内容を、修正版グラウンデッドセオリーアプローチを使って分析した。この研究から、外出が可能となっていても一歩社会に踏み出すことができない青年が支援機関にアプローチするまでには、家庭で責められない安らぎや何らかの役割のある<ありふれた日常>が基盤にあり、安心できる日々の生活が現実感の回復に結びついていた。そのような日常で、社会的支援に関する<情報に気持が動く>が、なかなか行動には移せず<時間だけが過ぎていく焦りと不安>の日々を過ごしている。年齢や経済面など<せっぱつまった事情>が背中を押し、第三者と関わることやひきこもりながらもやったことの成果と自信をとおして<自己の存在の実感>を抱け<腹をくくってハードル越え>が可能となっていた。 また、今年度に実施する親の会に役立てる目的で、県内外の居場所に通うひきこもり経験者43名を対象として、居場所等の通所をとおして社会的関係や心理的ウエルビーイング(心理的に良好な状態)が発展していくためのソーシャルサポートと、それに伴う当事者の気持の現状を明らかにするための質問紙調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
28名の面接調査を実施できたことと、そのなかの13名を対象とした調査内容を分析し学会発表できたこと、さらにプログラムの内容を充実させるために、質問紙調査を実施できたことは、予定以上に進展したといえる。しかし、親の行動的変化の評価基準づくりを完成させる予定であったが、ひきこもる青年の面接調査の分析結果を反映させたいために、作成途中となっている。 以上のことから、達成度(2)とした。
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今後の研究の推進方策 |
面接調査の結果から、H26年度と異にする分析テーマで分析を完了させ、それが反映された親子の評価基準作成と、親の会に使用するテキストを作成する。その上で、モデルとなる家族を新潟県内を対象にして募集し、親の会を実施する予定である。 また、質問紙調査の結果を学会発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
ノートパソコンを購入予定であったが、購入しないままであった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度に購入予定である。
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