本研究の目的は、文化的感受性を備えた対話を基盤としたリカバリー志向の地域精神看護援助モデルを開発することである。まず、5年以上の精神科訪問看護経験をもつ看護師21名への半構成的インタビューと、そのうち5名の看護師の訪問看護場面の参加観察によって得られたデータを質的帰納的に分析した。この結果とリカバリー志向の地域精神看護に関する文献検討を基に仮モデルを構築した。この仮モデルを精神科訪問看護の経験が1年以下の看護師8名に2カ月間活用してもらった。活用後のインタビュー及び看護援助リストの実施した項目の分析を基にモデルを精錬し、相互に影響し合う3つの階層からなる看護援助モデルとして示すことができた。
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