研究課題/領域番号 |
26463518
|
研究機関 | 人間環境大学 |
研究代表者 |
島内 節 人間環境大学, 看護学部, 教授 (70124401)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 在宅 / 独居者 / 高齢夫婦世帯 / 看取り / ケアシステム / システムモデル開発 / システムモデルの実用性検証 / 専門家会議 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、わが国で急速に増加している65歳以上の独居高齢者(以下独居)と高齢夫婦世帯(以下夫婦世帯)は、わが国の在宅ケア体制の中では、見取りが困難とされている対象である。このような困難事例について「在宅ケアにおける看取りケアシステムモデル」(以下「システムモデル」)を開発することを目的とする。1)国内事例の後ろ向き(retrospecitive)死亡事例調査によりニーズ・ケアアウトカムを明らかにする。2)外国のシステムも参考にしてシステムモデルを検討してケアシステムモデルの実用性検討を行う。 その後にシステムモデルについて、29年度に訪問看護の専門的学識者や実践力を持つ人々を中心に専門家会議を行いモデルを修正して、このような困難事例に普及可能なエンドオブライフケアのシステムモデルを開発し、実践でのの使用法を含めて提案する。一方で、これらの困難な実践例に基づいて日本在宅ケア学会の政策検討委員会の議を経て厚生労働省へ「ケアシステム」と「看護料金」に関する提案(理事会の承認と日本看護系学会等保険連合会を経由する必要があるので厚生労働省への提案は30年度にずれ込む可能性あり)を行う事も目的に含める。 27年度1月~28年度3月に在宅ケアで看取った事例を調査し、学会27年度2件発表済、28年度5件発表済である。27-28年4月に国内事例調査を終える予定で進んてきたが独居で看取った事例は52例しかなく不足しているので調査を継続中である。29年度後後半に外国人、デンマーク、コペンハーゲン市の在宅ケアシステム開発責任者であったLene Holländer R.N , M.Mにデンマークの事例と照合して調査事例の実態を打ち合わせ、ケアシステム上の改善ポイントについて意見を得ることになっている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
独居で死を迎える事例は非常に少ない上に、受持ち訪問看護師が事例調査を行うに当たっては受け持ち看護師への質問紙調査のために別居家族の承諾を得る必要もあった。そこで事例数の不足を補うために調査継続中の事例分析を行う必要があり、事例調査が遅れた。そこで3年間の研究を4年間に延長した。すでに事例収集はできており、29年3月に独居事例全部で86事例を収集できた。分析に耐えられるようになったので29年4月から分析が可能となった。すでに高齢夫婦世帯で看取り事例は164例で分析に耐えられる数の調査が終わっていた。すべての事例調査と分析が完了後に外国事例を参考にしてケアシステムモデルの開発を行う予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
28年度後半に外国事例について外国の専門家(上記デンマーク人)のシステムモデル事例適用可能性について意見を聞きケアシステムモデルを検討する予定である。29年度は28年度までの研究に基づいて学識者と専門実践者である看護師を中心に医師を加えて専門家会議を行いシステムモデルの妥当性を検討する。 これらのデータに基づいて日本在宅ケア学会の政策検討委員会に置いてどのようなケアシステムが必要か、看護職へのエンドオブライフケア事例のケアにおける費用を算出し、必要な経費について厚生労働省へ提案資料を作成予定である。 上記の経過においてデータ分析の進行に合わせて各種学会、日本看護科学学会、日本エンドオブライフケア学会などで発表する。日本エンドオブライフケア学会第1回学術集会長講演の中でも発表を予定している。さらに学会発表より遅れて本研究成果を国内外の学会誌に学術論文として投稿する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
在宅死を迎えた事例の調査の収集が事例が少ないことと各事例の別居家族の承諾が必要なために事例調査が遅れたので4年目の29年度に使用額が生じた
|
次年度使用額の使用計画 |
事例の収集が29年3月に終了したので分析を進めて順次学会発表し、在宅死の先進国であるデンマークの事例やシステムを参考に我が国で実施可能聖なケアシステムモデルを開発する。
|