研究課題/領域番号 |
26463519
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研究機関 | 広島国際大学 |
研究代表者 |
田中 正子 広島国際大学, 看護学部, 准教授 (60515807)
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研究分担者 |
川井 八重 広島国際大学, 看護学部, 教授 (30314991)
河野 保子 広島文化学園大学, 看護学研究科, 教授 (80020030)
藤本 千里 広島国際大学, 看護学部, 准教授 (80515908)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 在宅高齢者 / 医療依存状況 / QOL / 葛藤 / うつ / 医療処置 |
研究実績の概要 |
26年度に実施した医療依存状況にある在宅高齢者の実態調査研究については、結果をまとめ学会に論文投稿した。本研究は訪問看護を利用している在宅高齢者のQOL(生活の質)に影響を与えている要因について明らかにすることを目的とした。対象は65歳以上で認知障害がなく会話可能な在宅療養者であった。方法は対象者108名に対して、研究者が居宅に出向き聞き取り調査を実施した。内容は質問紙に基づいて属性(年齢、介護度、家族同居の有無、病名等)、医療処置の状況、QOL(生活の質)、葛藤(揺れ動く気持ち当)状況、うつ等であり、分析はt検定及びパス解析等を用いた。分析の結果、医療依存状況にある在宅高齢者のQOLは、医療処置(在宅酸素、褥瘡等)のある高齢者の方が、医療処置の無い高齢者よりも有意に低い結果であった(t(90)=-2.15,p<.05)。パス解析では、訪問看護を利用している在宅高齢者のQOLに影響を及ぼす直接要因は葛藤とうつであり、間接要因は年齢、医療処置、転倒、ADL、IADL、自己効力感、友人交流、家族交流であることが明らかになった。在宅高齢者は種々の葛藤を繰り返しながら生活していると思われるが、訪問看護師やサービス提供者等は在宅高齢者の抱えている精神的なニーズに留意し、うつ状態にならないように予防的介入が求められる。 在宅高齢者の実態調査研究結果により、高齢在宅療養者の生活の質は「葛藤」と「うつ」が大きく影響しており、葛藤が重要な要因であると推察された。27年度はその結果から葛藤状況についてインタビューガイドを作成し、それに基づいて12名の高齢在宅療養者に面接法によりインタビューを実施した。高齢在宅療養者の同意を得てICレコーダーに録音し、語っていただいた内容を文章にした。今後分析を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高齢在宅療養者に実施したインタビュー内容を逐語録に起し、現在内容分析を実施中である。
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今後の研究の推進方策 |
①葛藤状況について分析を進め、概念を抽出する。
②「高齢在宅療養者の医療処置と心理状況との関連性」について国際学会発表予定である(投稿しているが採用の有無は未定)。
③2年間の研究経過及び内容について、報告書を作成する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
27年度に発表した1つの学会は、会場が地元であったため旅費が発生しなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
28年度は最終年度であり国際学会に結果発表予定である。 また3年間の経過をまとめ報告書を作成する予定である。
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