研究課題/領域番号 |
26463526
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
藤井 千惠 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (70314002)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 組織的連携 / 生活習慣病 / 予防教育 / ヘルスプロモーション / 家族 |
研究実績の概要 |
1. 小中学校養護教諭および地域等の関係者との打ち合わせ: K市小中学校の養護教諭の研修会で、研究代表者が実践研究を継続してきた長野県の取り組みを紹介し、保育所、小中学校、地域の関係者が連携会議を実施しながら、協働で目標を立て、それぞれの実践活動を把握・理解した上で地域全体で生活習慣病予防教育を実施することの意義を説明した。また、同研修会に高等学校の養護教諭と市役所健康課の保健師を招き、高校生の生活実態と地域の乳幼児および成人の健康実態および第二次健康日本21K計画について知る機会とし、中学校区別に各校の健康課題や今後の連携活動の進め方について話し合った。さらに、小学校第5学年の血液検査結果で何らかの異常がみられた児童の中学校第2学年での血液検査結果や生活習慣の変化等を追跡調査すること等を確認した。 2.幼稚園、小中学校等における生活習慣病予防の講演会:研究代表者は、幼稚園、小学校、中学校等において計10回の講演会を実施し、子どもの健康的な生活習慣の重要性と家族で生活習慣を見直すことの大切さについて児童生徒および保護者に対して説明した。 3.幼稚園の子どもと両親の生活習慣に関する質問紙調査:K市立の3つの幼稚園の幼児384人(参加率82.8%)とその父親359人、母親382人を対象に生活習慣に関する質問紙調査を実施した。その結果、21時すぎに就寝する幼児は、子どもの生活リズムに対する母親の意識が低い、夜食を摂取する、寝つきが悪い、睡眠時間が10時間未満、寝起きが悪い、朝食を毎日摂取しない、朝食のバランスがよくない等の割合が21時までに就寝する子どもと比べて有意に高かった。さらに親子の生活習慣等の関連を検討した結果、体格、就寝時刻は母親と有意な正の相関がみられ、起床時刻、テレビ・DVD・ゲームの時間、朝食・夜食の摂取、朝食のバランス、運動頻度等は両親と有意な正の相関がみられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
K市小中学校養護教諭および地域等の関係者との打ち合わせを実施し、K市教育委員会が実施した平成24年度食に関する実態調査や平成26年度食生活に関するアンケートから小中学校の児童生徒の健康実態を把握することができた。また、乳幼児、成人の健康実態および第二次健康日本21K計画の概要を把握した。さらに、幼稚園の子どもと両親の生活習慣に関する質問紙調査を実施して、幼児期の子どもと家族の健康課題を把握することができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度には、養護教諭と保健師との顔合わせができた。また、幼稚園児と保護者の生活習慣に関する質問紙調査を実施した。 そこで、平成27年度は幼稚園児と保護者の生活習慣に関する調査の結果を論文にまとめて投稿する予定である。さらに可能であれば保育所でも子どもと保護者に対する生活習慣質問紙調査を実施し、幼児期の子どもと保護者の健康課題や幼稚園と保育所の結果の相違等について検討する。これらの調査結果を踏まえて、保幼小の連携のあり方や今後の地域における生活習慣病予防教育の推進方策について、養護教諭、幼稚園教諭、保育士、保健師等の連携会議を開催して検討する。
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