研究課題/領域番号 |
26463528
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
石井 美由紀 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (40437447)
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研究分担者 |
松田 宣子 関西国際大学, 保健医療学部, 教授 (10157323)
高田 哲 神戸大学, 保健学研究科, 名誉教授 (10216658)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 発達障害 / 多職種協働 / 地域支援 / ツール / 虐待予防 |
研究実績の概要 |
最終年度では当該研究の集大成として、台湾で開発された尺度(CACQ)の日本語版(以下、日本語版CACQ)の開発に取り組んだ。原版開発者の了解を得た後、順翻訳ならびに逆翻訳を経て、日本語版CACQを作成し、パイロット調査により内容妥当性を確認した。日本語版CACQの信頼・妥当性を確かめるため、以下の調査を実施した。 調査の対象施設として、総務省、日本小児科学会、日本救急医学会が提供する全国自治体と医療機関のデータから西日本の24府県に位置する227の自治体の母子保健部門と、166の医療機関を選定した。対象者は、自治体の母子保健部門あるいは小児科または救急科に勤務する看護職とした。方法は、郵送法無記名式質問紙調査とし、対象施設の看護職員の人員に応じて、1施設当たり質問紙2~4部を配布した。調査内容は基本属性と日本語版CACQで構成され5段階評定を求めた。尺度の再現性を検証するため、調査期間中2週間のインターバルを設けた再テストを実施した。なお本研究は所属大学保健学倫理委員会の承認を得て実施した。テストでは188名、再テストでは111名から回答を得た。最尤法プロマックス回転による因子分析を行い、因子負荷量0.35未満の項目が除外され、36項目6因子の最適解を得た。尺度全体及び下位尺度の内的整合性はいずれもα=0.91以上であり、再現性はいずれもICC=0.88以上であった。以上より、日本語版CACQは一定の信頼・妥当性が確認された。しかしCACQ原版(5因子構造)とは因子構造が異なることが明らかとなった。今後は台湾の看護職を対象とした調査データとの比較分析を行い、因子構造の差異を検討する必要がある。 当該研究で中国語圏の国や地域と共有で活用可能なツールを開発したことは意義深いと考える。今後はこのツールを活用し国内外での研究を発展させる予定である。
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