研究課題/領域番号 |
26463534
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
金谷 志子 大阪市立大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (00336611)
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研究分担者 |
河野 あゆみ 大阪市立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (00313255)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 見守り / 高齢者 / 社会的孤立 / ネットワーク / 介入研究 |
研究実績の概要 |
【目的】A市にて地域高齢者見まもりネットワーク活動促進プログラム(以下、プログラム)の介入群と対照群の事前評価を実施することであった。 【方法】研究対象地区は、大阪府 A 市の 2地区で、2地区の65歳以上の単身世帯の高齢者全数 1124名であった(介入群;534名、対照群;590名)。事前評価を実施した。評価は地域高齢者を対象に自記式質問紙調査で、調査内容は、①身体機能の指標(ADL,IADL)、②心理・社会的指標(主観的健康度、抑うつ、孤独感、社会参加)、③生活状況(サービスの利用状況、危機的状況のための備え)、④ソーシャル・キャピタル(高齢者見守り自己効 力感、地域志向性)であった。 【結果】有効回答者率は介入群48.9%、対照群43.2%であった。ベースライン時において、介入群は対照群に比べ、持ち家率が高く、居住年数が長く、地域コミットメントが高いという違いがあった。今後、介入効果の評価時には、介入前から存在した地域の差を調整し、分析していく必要がある。社会的孤立者は、介入群で33%、対照群で41%、存在した。危機時に助けを呼べない不安感がある者は、両群とも約5割であった。 【考察】研究対象地域は社会的孤立している単身世帯の高齢者は約半数を占めており、社会的孤立を防止するニーズの高い地域であった。現在実施している介入プログラムを継続して実施し、見まもりネットワーク活動に活動とともに、社会的孤立防止のための重層的な防止策が必要であると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の研究計画にあった、事前評価と介入プログラムの開始、事後評価(1年目)の実施について、すべて実施できたため、概ね順調と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策について、当初の計画のとおり推進させていく計画である。 次年度は、前年度末に実施した事後評価(1回目の)のデータ集計および解析をすすめるとともに、介入群に対し引き続きプログラムを実施する。そして、事後評価(2年目)を実施する計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の研究計画では、今年度はプログラムによる介入を年度初めより開始し、年度内に1年後の評価調査を実施する予定であった。しかし、評価調査の実施時期が若干遅延したため、調査に伴う費用(データ収集、分析)を使用することがなく、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度(平成28年度)の研究計画は、事後評価1年目のデータ収集を完了し、分析を実施する。前年度より継続して、介入プログラムを実施する。研究費の計画は、①質問紙調査によるデータ収集に伴う経費(郵送費)、②データ解析に伴う経費(データ入力に伴う人件費等)、③介入プログラムの実施に伴う経費(旅費、資料作成費、研究補助者の人件費等)である。
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