研究課題/領域番号 |
26463542
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
宇田 優子 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 准教授 (70597690)
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研究分担者 |
三澤 寿美 東北福祉大学, 健康科学部, 教授 (10325946)
石塚 敏子 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 講師 (80339944)
稲垣 千文 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 助教 (10645716)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | あきらめ / 在宅療養者 / 災害 / 備え |
研究実績の概要 |
本研究は、在宅療養者(主にパーキンソン病患者を対象)がもつ、①災害対処行動を「あきらめ」る気持ちの分析、②支援者の反応・対応の分析、③「在宅療養者の災害対処行動の理論モデル構築」を目的に、5か年計画で行っている。平成26年度は1年目である。 平成26年度の具体的内容として、【1】保健・医療・福祉の研究分野では「あきらめ」をどのように定義しているか明らかにすることを目的に、文献検討をおこなった。文献検討結果から、「概念分析」の手法を用いて更に分析し、定義可能か検討中である。日本においては、「概念分析」手法による研究は発展途上であり、発表例が少ないため、手法について英文著作物の和訳から初め、方法論の理解にも十分に時間をかけた。 【2】パーキンソン病友の会会員で被災体験のある新潟県の7人にインタビュー調査を実施した。災害の備えについて、避難や備えをあきらめる気持ちの有無、その理由を1人につき、60~90分程度実施した。現在、逐語録を作成、分析を開始するところである。また、宮城県会員にも同様に行う予定で、対象者の選定・依頼はすみ、実施の段階である。 研究の意義・重要性として、①療養者が有している「あきらめ」について定義されていないこと(新規性)、「あきらめ」る気持ちが行動に大きく影響している可能性が高いこと(研究結果有効性)が明らかになった。②インタビュー調査は、実施途中であり、今後分析していく。宮城県会員は、東日本大震災を体験しているが、災害関係の調査等を過去に受けていないため、研究目的以外の重要事項が明らかになる可能性もあり、広く災害支援に資する資料を得られるのではないかと考えている。③「あきらめ」る気持ちを定義するための研究方法として、日本では発表件数の少ない「概念分析」を取り入れ、新しい研究方法の発展に寄与していると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「あきらめ」の定義を行うことに時間を要した。「あきらめ」は一般的にも使用され、日常的に何気なく使っている。看護文献の文章中にも散見するが、改めて定義して使用した研究論文はなかったため、インタビュー調査を行う前に、定義を行うこととした。 それらに10カ月を要し、その後にインタビュー調査を開始したため、若干の遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
1、療養者へのインタビュー16人を終了し、分析を行う。【平成27年度中】 2、上記1の結果を、災害時要支援者の支援に係る保健医療福祉関係者、地域関係者にインタビュー調査を行う。【平成27~28年度】 3、上記2を元に、、③「在宅療養者の災害対処行動の理論モデル構築」を行う。【平成28~30年度】
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次年度使用額が生じた理由 |
インタビュー調査の予定16人中実施7人だったことと、逐語録作成は平成27年度4月以降としたために、調査旅費と逐語録作成(16人分)代金を平成27年度に繰り越した。
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次年度使用額の使用計画 |
1、インタビュー調査9人の旅費 2、逐語録作成代金16人分 として使用する。
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