本研究は要支援高齢男性の社会活動の実態を明確にし、その実態を反映させた要支援高齢男性の社会活動尺度を開発した。 A県に在住する65歳以上の要支援男性高齢者134名を対象に、個別面接よる無記名質問紙調査を実施し、有効回答数は121であった。構成概念妥当性は探索的因子分析を用い検討され、基準関連妥当性は高齢者の社会活動指標をもとにスピアマンの順位相関係数を使用して検討された。信頼性はCronbach alpha 信頼性係数を用いた。 「知人との日常的なつきあい」「家族との親密なつきあい」「活動プログラムを通じた他者とのつきあい」3つの下位尺度からなる要支援高齢男性の社会活動尺度(SASOMS)が作成された。 SASOMSと高齢者の社会活動指標の相関はr=0.557であり、基準関連妥当性が確認された。また、SASOMSのα係数は0.791であり内的整合性が確認された。 SASOMSは信頼性と妥当性を有することが確認され、要支援男性高齢者特有の社会活動を測定できる指標であることが示された。また、サービス提供者がSMSOMSを用いて要支援男性高齢者を支援することの有効性が示唆された。今後は、SMSOMSの有用性を高めるため、縦断研究による尺度の妥当性を検証する必要がある。
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