研究課題/領域番号 |
26463554
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
川崎 涼子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 助教 (30437826)
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研究分担者 |
大西 眞由美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (60315687)
西原 三佳 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 助教 (70712107)
中尾 理恵子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 准教授 (80315267)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 人材育成 / 倫理的課題 |
研究実績の概要 |
平成27度は、家庭訪問を主なサービス提供の手段として活動するコミュニティヘルスワーカーのうち、日本の保健師と近い地域保健分野で活動する人材として、ブラジルにおけるコミュニティヘルスワーカー制度に着目し、とくに資源の乏しい地域であるアマゾナス州マニコレ市におけるコミュニティヘルスワーカーの活動の課題、行政等の支援体制についての調査データを整理し公表した。コミュニティヘルスワーカーの家庭訪問においても、対象家庭や対象地区の宗教や経済問題、各家庭の教育レベルだけではなく、これまで培ってきた生活習慣における価値観を否定することなく長期に渡ってかかわる必要があり、CHWはその責任感と困難さを感じていることが分かった。また、住民への対人保健サービスを行う人材に対して、衛生改善、感染症予防、生活習慣病予防の知識や技術、物品の提供だけでなく、こうした困難さの面へアドバイスや相談を行う体制が必要であるとわかった。 この結果を踏まえ、国内の保健師への家庭訪問に関連した倫理的課題とジレンマについて調査を行う計画を進めていたが、まだデータ収集に至っていない。日本の行政保健師は家庭訪問の経験が少なくなってきているとの報告もある一方で、家庭訪問が保健師の行う支援手段の基本であるとの考えが主流である。本研究の質問紙項目において、家庭訪問に関する項目をより洗練する必要があると考え、検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の目的、対象への調査は進んでおらず、達成できていない。所属機関変更といった研究環境の変化が伴ったため、平成28年度はデータ収集の開始に向け所属機関での倫理審査を受けたのちに実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度の計画では、所属機関を変更したことから、調査の対象者となる行政保健師を大分県内の県及び市町として研究協力依頼を行うことを検討している。また、前所属機関の研究分担者とも協力を仰ぎ、長崎県内の市町保健師への調査も実施する予定である。8月に所属機関の倫理申請を行い、10月にデータ収集を行う。課題としては新たな研究環境のために本研究へのエフォート変更を伴う恐れがあることである。自らのエフォートを整理し、本研究の優先順をつけて対応していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度実施予定であったデータ収集ができなかったため、郵送費、打合せ旅費などの未使用が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度は、データ収集のための質問紙印刷、郵送費等に使用の予定である。
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