研究課題/領域番号 |
26463554
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研究機関 | 大分県立看護科学大学 |
研究代表者 |
川崎 涼子 大分県立看護科学大学, 看護学部, 准教授 (30437826)
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研究分担者 |
大西 眞由美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (60315687)
西原 三佳 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 助教 (70712107)
中尾 理恵子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 准教授 (80315267)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 保健師活動 |
研究実績の概要 |
本研究では、市町村保健師がジレンマを抱く背景として実際の業務における重要度の認識と達成度の差異に着目して調査を行った。同一の保健師活動項目で重要度の認識と達成度の差異を確認したうえで、重要度の認識に関連する保健師の属性を明らかにし、保健師の現任教育への活用を検討した。全国総人口1万人以上の市区町村1,270カ所に勤務する母子保健担当の常勤保健師を対象に、自記式質問紙調査を実施した。保健師業務の中でも、通常の妊婦・児への対応よりもリスクが高くケースが少ないために経験を重ねることが困難な多胎児および妊婦への対応に焦点を当てた。先行研究から母子保健師活動として「情報収集・アセスメント」27項目「支援行動」49項目を抽出し、各項目の重要度の認識を3段階(あまり重要でない・重要である・かなり重要である)で、達成度を4段階(全く行わなかった・あまり行わなかった・行った・かなり行った)で評価した。 質問紙回収は553(回収率38.1%)、項目欠損を除いた分析対象は382とした。重要度の認識に対して達成度が低い項目は「情報収集・アセスメント」では、「生むことへの迷いについて把握する」「母親のネグレクトのリスクを考える」であり、特定妊婦の要因としてあげられるような情報の収集・アセスメントで差がみられた。「支援行動」では、虐待リスクのある対象者への支援を関係機関と連携すること、および、父親へのかかわりにおいて重要度の認識が高い一方で達成度は低く差がみられた。 重要度の認識に統計学的に有意に関連した保健師の属性は、「多胎児育児支援の研修会への参加経験」、「保健師教育を受けた期間」「保健師の経験年数」であり、基礎教育期間や経験年数のみならず、現任研修の効果が示唆された。
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