研究課題/領域番号 |
26463558
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
臺 有桂 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (00341876)
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研究分担者 |
田高 悦子 横浜市立大学, 医学部, 教授 (30333727)
荒木田 美香子 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (50303558)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 援助要請 / 発達課題 / 幼児 / 養育者 / プログラム開発 / 地域看護 |
研究実績の概要 |
本研究は、幼児期後期の子どもの抱える発達上の課題について、その養育者がどのように課題を認識し、受診や相談行動を生起するのかという援助要請の実際を明らかにし、地域におけるアクセシビリティの高い親子の健康相談システム構築、ならびに養育者支援の在り方への示唆を得ることを目的とする。 具体的な方法は、まず幼児の発達課題に対する養育者の援助要請にかかる測定尺度を開発することである。尺度開発にあたり、国内外の文献検討、幼児期後期の子どもを持つ養育者 ならびに保育専門職種を対象にインタビューを実施し、質的記述的研究法により、援助要請にかかるアイテムプールを抽出し、尺度案を構成する。尺度案は養育者を対象とした調査により検証、確定する。次いで、この尺度を用い、養育者の援助要請を促進するためのプログラムを試作し、その効果を検証する予定である。、 平成26年度は、援助要請にかかる国内外の先行研究をあたり、援助要請行動を生起するメカニズムやその影響要因、ならびに自己効力感にかかる要素を抽出すべく、文献検討を実施した。結果、母親の援助要請行動は、自己効力感ならびに態度の側面より予見が可能である感触を得た。また、この過程で得られた援助要請にかかる要素は、将来的に発達上の課題を持つ子どもの養育者の「援助要請尺度」とするようアイテムプールとして項目を抽出した。 平成27年度は、このアイテムプールが適切なものであるか、幼児期後期の養育者ならびに保育専門職を対象にインタビューを行うとともに、養育者を対象とした調査を実施し、検証を重ね、尺度開発を行う。同時に養育者の援助要請を促すプログラムを試作する。 続く平成28年度は、プログラム案を実施し、先に開発した尺度を用いて、プログラムの在り方等を検証する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の遂行上、平成26年度には尺度案を構成する予定であったが、尺度開発のための資料収集およびデータ分析に予想以上の時間を要してしまったことから、予定より達成度が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度より、主研究者の所属機関が変更となったのに伴い、幅広いフィールドの養育者ならびに保育専門職にアクセスが可能となった。この環境を活用し、以下の段取りで研究を推進していく予定である。 平成27年度は、平成26年度に抽出した尺度構成のためのアイテムプールが適切なものであるか、首都圏内の幼児期後期の養育者ならびに保育専門職を対象にインタビューを行う。また、首都圏内の自治体あるいはWEBを用いた養育者の調査により、尺度を開発を行う。同時に、養育者の援助要請を促すプログラムを試作する。 平成28年度は、首都圏内の自治体において、養育者を対象にプログラム案を実施し、先に開発した尺度を用いて、プログラム評価を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、平成26年度に尺度開発を予定しており、そのためのフィールドワークやインタビューにかかる交通費や謝金、調査ならびにデータ入力委託にかかる費用を予算として計上していた。しかし、研究計画の進捗がやや遅れているため、平成26年度に実施できなかったインタビューに関する費用が、平成27年度に繰り越しとなっている。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度は、尺度開発に伴うフィールドワークならびにインタビュー、および養育者およそ500名程度を対象とした調査を実施する予定である。これらにかかる交通費、謝金、調査およびデータ入力委託にかかる費用は、当初予算に平成26年分の未使用額を加えた金額で賄う予定である。
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