熟練保健師が、発達障害の特性をもつ子どもの1歳半健診後の継続的支援に対する親の理解や協力を得ることが困難な状況において、親子をどのように子どもの特性に適った支援につなげているかを明確にすることを目的とした。 発達障害児とその保護者への支援経験が豊富で、支援内容に定評のある保健師を対象としたインタビュー調査のデータから、保護者の要因により1歳半健診後の継続的支援の導入が困難な状況において保健師が用いている保護者支援の技術について、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)に基づき分析した。 研究対象者は、3府県8市町に勤務する17名である。保健師としての経験は8年~33年、平均22.6年、このうち母子保健分野での経験は3年~33年、平均18.4年であり、すべて女性であった。インタビューは、1人1回行い、所用時間は72分~146分、平均83.7分であった。 分析の結果、「保健師が親との間のニーズのずれを修正し親子に適った支援につなげるプロセス」を構成する【ニーズのずれを読み解く】【小出しに変化を仕掛ける】【ギアを切り替え一歩踏み込む】【安心できる支え手になる】の4カテゴリーと≪違和感の正体を探る≫≪生活の中にあるしんどさを読み取る≫≪あるがままの生活を引き出す≫≪子どもを見る目をつくる≫≪子どもと向き合う力を引き出す≫≪育ちへの期待を分かち合う≫≪心の動くタイミングを捉える≫≪折り合う手立てにつなぐ≫≪関わり手につなぐ≫≪間接的につながる≫≪関わりの満足感を残す≫≪心を寄せてじっくりつき合う≫≪尊重の念を伝える≫の13サブカテゴリー、39概念が生成された。
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