研究課題/領域番号 |
26463561
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
金子 典代 名古屋市立大学, 看護学部, 准教授 (50335585)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 性感染症 / 予防行動 / 若年女性 / ネットワーク / 子宮頸がん検診 |
研究実績の概要 |
本研究では、若年女性の性感染症予防行動(コンドーム使用、定期的な検査受検)の影響要因として、個人の認識のみならず、個人をとりまく社会ネットワークの様相に焦点を当て、予防行動とネットワーク特性の関連を分析することを目的としている。 平成26年度は、主に過去10年間の国内外の先行研究のレビューを行い、20歳代を中心とする若年女性の性感染症の予防行動、性交渉によるヒトパピローマウィルス感染が強く関与する子宮頸がんの検査の受検行動について検討を行った。日本では20歳代の若年層における子宮頸がん検診の生涯受診率は他の先進諸国と比較しても著しく低い。日本国内での若年女性の子宮頸がん検診を含めた性感染症検査の受診行動の要因を分析した研究は質的研究が多く、規範やネットワークの様相と行動の関連に焦点を当てた先行研究が少ないことが判明した。海外においては周囲の規範と検査受検行動、予防行動の関連に焦点を当てた量的研究も多く見られた。これらの文献検討結果に基づき本調査に用いる質問項目策定のための予備的なインタビュー、量的調査を実施した。その結果、内診を伴う性感染症検査については、「時間がない」「面倒である」「値段が高い」といった考えや「羞恥心」「怖さ」が障壁となっていること、また「周囲も検診を受けていないので大丈夫」といった規範、「自分は性感染症に罹患しないと思う」といった考えが行動に関連している可能性が示唆された。 予備調査からネットワークの特性を詳細に尋ねるためには、質問紙調査の方法では限界があることも判明した。量的調査のみならずフォーカスグループインタビュー等の実施により、ネットワークの様相の詳細が明らかになる可能性が考えられた。次年度はこれらの予備調査の結果を踏まえ、本調査を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
文献レビュー、予備調査は計画通り実施ができた。ただし個人のネットワークの性質を尋ねる項目策定にはさらなる検討が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降、量的デザインに基づく本調査を実施する。初年度の研究より、量的調査のみでは明らかにできない側面があることが判明したため、フォーカスグループインタビューの追加実施も検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が出たことは、1年目の予備調査の実施が円滑に進みデータ入力にかかる時間が想定していたより短縮化できたことによるものである。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度に行う調査実施に使用する予定である。
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