研究課題
最終年度は、以下の研究を実施した。1)20-30歳代の女性の行動理論枠組みに基づく、子宮頸がん検診受診行動と社会経済的背景、検診への意識と価値観に関する量的研究、2)機縁法を用いた、20歳代の性感染症に関する意識、感染予防行動、性行動、受診行動の実態調査、3)研究1-2年目に実施した量的調査の最終データ解析と成果発表1) 総計498名からの回答を分析対象とした。過去3年に子宮頸がん検診の受診経験があるものは214名(43%)であった。子宮頸がん検診の受診の意図を有することには、検診への態度、主観的規範、自己の行動統制感が有意に関連していた。社会経済的背景、知識には関連が見られなかった。2)最も性行動が活発化する20歳代若年層を対象に、主要な性感染症(HPVと梅毒)の知識、性感染症に関する学習経験、性感染症に対するイメージ、性行為時の予防行動、感染を疑った際の受診行動の実態調査を機縁法により行った。総計219名からの回答を得て分析を行った結果、梅毒の流行については76名(34.7%)が認知していたが、実際の性行為における予防行動は低く、感染を疑った際も受診に結び付いていない状況が示された。3) 平成26-27年に実施した700名の未婚女性における子宮頸がん受診行動と関連要因に関する実態調査のデータについて最終解析を行った。その結果、生涯で検診経験があるもののほうが、年間収入が高く、HPVワクチン接種歴を有し、検診クーポンの受け取り経験があり、子宮頸がんの罹患可能性を高く認識していること、検診受診への心理的障壁や時間や金銭的な障壁が低いこと、男性医師による検診への負担感が低いことが示された。本研究により、若年女性の梅毒や子宮頸がん予防の推進を考案するにあたり必要となる性行動や予防行動、社会ネットワークの特性との関連について基礎資料を得ることが可能となった。
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The Journal of Korean Public Health Nursing
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