研究課題/領域番号 |
26463568
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研究機関 | 天使大学 |
研究代表者 |
吉田 礼維子 天使大学, 看護栄養学部, 教授 (90320556)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 介護予防 / ケアシステム / 保健師 |
研究実績の概要 |
介護予防システムを推進する保健師の活動の強化に向けて、先行研究で開発した「介護予防システムを推進する保健師の活動指標」を用いた質問紙調査の結果を分析し発表した。 有効回答592人(回収率28.0%)で、市町村189人、地域包括支援センター403人、保健師経験20年以上が55.0%であった。保健師の活動指標を因子分析した結果、『住民の主体的活動を促す基盤づくり』『介護予防のニーズを把握して活動につなぐ』『介護予防活動の評価を活かした事業の強化』『住民や地域の関係者と介護予防の課題と目標の共有』の4因子が抽出された。基本属性との関連では、保健師経験20年以上、市町村所属の保健師の得点が高く、人口規模との関連は見られなかった。また、介護予防システムを推進する保健師の活動を困難にする要因は、「個別対応に忙しく余裕がない」「どのように取り組んで良いか分らない」「人員体制」などの理由が多く、保健師経験や人口規模が関連していた。 介護予防事業の成果についての保健師の認識について因子分析を行った結果、『地域活動の評価と共有』『介護予防事業参加者の健康の改善』『自主活動の活性化』の3因子が抽出された。基本属性との関連では、保健師経験と人口規模との関連が見られた。 これらの結果から保健師は、介護予防のニーズを把握して活動につなぐ取り組みは良く実施され、事業参加者の健康の改善が成果として認識されていたが、ボランティア育成等住民の主体性を促す活動や関係機関との連携、評価を活かした活動の改善や地域での課題の共有等の取り組みの実施とその評価は、十分といえない結果が確認された。これらの活動の強化が介護予防システム推進の課題となることが示唆された。今後は、介護予防システムを推進する活動とその成果に影響を与えていた保健師の経験・活動を詳細に記述し、介護予防システムを推進する保健師の活動強化の方策を検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
初年度は、一次調査の準備として、文献を検討し質問紙を精選したが、調査の開始が遅れ、2年目に調査を実施した。その後の分析を実施し、一次調査の結果は公表してきた。 2次調査の対象選定と依頼に時間を要しており、現在は、2次調査の途中である。
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今後の研究の推進方策 |
2次調査のインタビューを継続、実施し、介護予防システムを推進する保健師の活動の詳細と活動に影響を及ぼした要因を分析し、保健師の介護予防システムを推進する活動強化のプログラムを検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
インタビュー調査が遅れているため、インタビュー調査にかかる旅費、データ分析などの費用の支出がこれからである。また、結果の発表、論文の投稿などの公表を今後、予定している。
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次年度使用額の使用計画 |
インタビュー調査の旅費、データ入力、学会発表の旅費、論文の投稿、研究報告書の作成に使用予定である。
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