研究課題/領域番号 |
26463570
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
島田 裕子 自治医科大学, 看護学部, 講師 (40556180)
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研究分担者 |
塚本 友栄 自治医科大学, 看護学部, 准教授 (00275778)
関山 友子 自治医科大学, 看護学部, 助教 (20614192)
鈴木 久美子 自治医科大学, 看護学部, 准教授 (80341783)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 県外避難者 / 避難所 / 健康 / 保健師 / 原子力災害 |
研究実績の概要 |
東日本大震災の発生に伴い、被災地から県外に避難した者を対象とした避難所活動における自治体保健師の課題を明らかにするために、被災地から県外に避難した者を対象とした避難所活動にかかわった、被災地以外の自治体の保健所保健師にインタビューを実施した。その結果、地元へ帰還する見通しが困難で避難生活が長期化している県外避難者への支援において、県外避難者の中には、地元に戻りたいと考えている者と、避難先の自治体に根付いて生活することを考えている者の双方がいることを理解したうえで支援していく必要性があるという課題が明らかになり、そのことが県外避難者の健康や生活に影響を与えているということが明らかになった。また、平常時に関係機関と構築していた良好なネットワークが県外避難者への健康や生活への支援において有用であったことが明らかになった。 さらに、被災地から県外に避難した経験を有する者に対し、避難生活において健康に関して困難だったこと、困難を解決する上で役立ったこと等についてグループインタビューを実施した。インタビューの対象者(またはその家族)は何らかの健康問題を抱えており、避難者自身とその家族の健康を守る上で、避難所におけるタイムリーな健康相談や医療機関に関する情報の提供などが有用であったことが明らかになった。 なお、研究代表者と研究分担者はグループインタビューの対象者が所属する県外避難者の自主的な会からの要請を受け、会の定例会に出向き健康教育をはじめとする健康支援活動を連動させながら本研究を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
東日本大震災の発生に伴い、被災地から県外に避難した者を対象とした避難所活動における自治体保健師の課題を明らかにするために、被災地から県外に避難した者を対象とした避難所活動にかかわった、被災地以外の自治体(県庁・保健所・市町村)保健師へのインタビューを予定していたが、平成26年度は保健所保健師へのインタビューのみとなったため。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は被災地から県外に避難した者を対象とした避難所活動にかかわった、被災地以外の自治体(県庁・市町村)の保健師と、被災地の自治体保健師の双方にインタビューを実施する。被災地から県外に避難した経験を有する者(平成26年度に実施したグループインタビューの対象者が所属する県外避難者の自主的な会に所属する、他の参加者)にも避難生活において健康に関して困難だったこと、困難を解決する上で役立ったこと等についてインタビューを実施する。インタビューの内容を類似した内容ごとにまとめカテゴリー化し、指針作成に向けてフェーズごとに整理していく。 なお、グループインタビューの対象者が所属する県外避難者の自主的な会から平成27年度も健康教育実施の要請が来ており、研究代表者と研究分担者が今後も健康支援活動を本研究と連動させながら継続実施していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究目的を達成するためのインタビュー調査にかかる旅費、研究成果の発表と研究目的遂行に役立つ情報収集のための学会参加費、研究に関連する事務に必要な消耗品等を購入するための経費を要するため
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次年度使用額の使用計画 |
被災地から県外に避難した者を対象とした避難所活動にかかわった、被災地以外の自治体保健師へのインタビュー調査(埼玉県、新潟県)、被災地の自治体保健師へのインタビュー調査(福島県)、県外の避難所に避難した経験を有する者へのインタビュー調査、研究成果の発表と研究目的遂行に役立つ情報収集のための学会への参加、研究に関連する事務に必要な消耗品等の購入
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