研究課題/領域番号 |
26463575
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研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
小林 真朝 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (00439514)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 看護学 / 公衆衛生看護学 / 動物との共生 / 地域看護学 / 人と動物の関係 |
研究実績の概要 |
本研究は、動物との共生経験と他者との交流や地域参加といった社会的健康側面との関連についての分析を通して「動物との共生を基盤としたCommunity Developmentモデル」の構築と検証を行うことを目的とし、以下のように段階的に研究を進めている。1.「動物との共生」概念についての文献検討、2.「動物との共生」に関する先進的研究・実践機関における専門的知識の収集および「動物との共生を重視した地域づくり」に取組む自治体および活動実践者へのインタビュー、3.「動物との共生と社会的交流・地域参加の関連」についての質問紙調査、4.調査結果を踏まえたモデル構築およびワークショップの開催を通じた概念モデルの検証。 平成30年度は以下の内容について研究を進めた。 1.「動物との共生」に関する文献検討:前年度までに収集した文献に加え、さらに近年の文献を追加し、総説として投稿するための論文執筆を行った。 2.地域づくりに関する専門的知識の収集:第7回日本公衆衛生看護学会学術集会に参加し、地域づくり、ソーシャルキャピタル等、コミュニティのネットワーク形成に関する研究について、専門的知識の収集を行った。 3.人と動物の関係に関する専門的知識の収集:人と動物の関係をテーマに取り組む研究者(獣医学、公衆衛生学の専門家)および実践者(動物関連事業で人と動物の相互関係に関する取り組みを行っている実践家)と情報共有・意見交換を行い、米国の先進研究施設における研究実践について情報共有をした。 4.インタビューならびに質問紙調査の実施準備:研究計画書、研究依頼に関する一連の書類作成等、研究倫理審査申請の準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
産前産後・育児休業の取得に伴う研究中断を経て、平成29年10月より研究再開をしたが、平成30年度は146th American Public Health Association Annual Conference(San Diego)およびヒトと動物の関係学会への参加が出来ず、米国の先進プログラムの視察が実施できなかった。現在、本研究に関しては研究が遅れている。 そのため、平成28年度に計画した通り、最終年度の研究期間延長を申請して承認を受け、平成31年度を最終年度として1年間の研究期間延長を行い、インタビュー調査ならびに質問紙またはweb調査の実施、国際学会・国内学会等における専門的知識の収集を実施する。
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今後の研究の推進方策 |
1.専門的知識の収集 28th Annual ISAZ Conference (Animals in the Public Eye: Human Interactions and Perceptions of Animals) および第26回ヒトと動物の関係学会学術集会に参加し、人と動物の関係に関する専門的知識の収集を行う。また第78回日本公衆衛生学会総会および第8回日本公衆衛生看護学会学術集会に参加し、地域づくり全般についての専門的知識の収集を行う。 2.動物との共生に取り組む自治体および活動実践者へのインタビュー 「動物との共生」を重点課題として掲げる自治体担当部署へのインタビューおよびフィールドワークを行い、地域における共生の概念と実践活動との関連について分析を行う。 3.質問紙調査(またはweb調査)の実施「動物との共生と社会的交流・地域参加の関連」についての質問紙調査(またはweb調査)を行い、動物との共生についての認識ならびに社会・地域参加についての分析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度までの繰越金が存在したことに加え、平成30年度は他の教育・研究業務との調整が難しく、海外の学会参加ならびに、米国の先進プログラムの視察が実施できなかった。 平成31年度は最終年度となるため、当初の計画から変更した研究計画を実施するために科研費を使用する。専門的知識の収集のための海外旅費、先進取り組みを行っている自治体でのインタビュー謝金、質問紙調査、テープ起こし、人件費などに支出する計画である。
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