研究課題/領域番号 |
26463578
|
研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
嶋津 多恵子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 教授 (80184521)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | プリセプター / 保健師 / 新任保健師 / 経験学習 / 尺度開発 |
研究実績の概要 |
本調査で得られたデータの分析を進めた。全国86自治体へ質問紙を868通配布し、回収数438(50.5%)、有効回答数379(43.7%)であった。「行政におけるプリセプター保健師の能動的実践尺度(PHN-PAES)」(α=.879)計20項目の4つの下位尺度(α= .758; .800; .708; .776)は、信頼性・妥当性が検証された。共分散構造分析により、プリセプター保健師能動的実践と先行要因および帰結との関連の仮説モデルを検証し、最終モデルを構築した。プリセプター保健師の能動的実践は、保健師の専門性発展力および組織を背負う意識に関連していた。先行要因のうち、キャリア、組織で育成された経験の認識、新任保健師の年齢、プリセプター研修、人材育成環境がプリセプター保健師能動的実践と帰結に関連していた。 PHN-PAESは、経験学習(Kolb,1984)の能動的実践を測定し、プリセプター経験における実践知を導く能力の評価として活用可能と考えられる。さらに帰結として保健師の専門性発展力および組織を背負う意識に寄与することが明らかとなり、保健師のキャリア発達としてのプリセプター経験の意義が示唆された。プリセプター研修等の関連要因はプリセプター教育および人材育成環境整備の参考となると考える。 本研究で開発した尺度PHN-PAESについて、国際学会(韓日地域看護学会学術集会)および国内学会(日本地域看護学会学術集会)、研修会等で発表し、妥当性および実用可能性を検討した。経験学習理論、先行研究から導かれた概念枠組みに基づき尺度の構成概念妥当性を精査し修正を重ねた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究成果のうち、開発した尺度PHN-PAESの学術誌への投稿を手がけている段階である。また、尺度PHN-PAEを用いた、プリセプター保健師能動的実践と先行要因および帰結との関連のモデル構築について、公表していくことが必要である。
|
今後の研究の推進方策 |
研究成果を学会発表、学術誌への投稿等により公表していく。具体的には、開発した尺度PHN-PAESの学術誌への公表、プリセプター保健師能動的実践と先行要因および帰結との関連のモデル構築についての学会発表および学術誌での公表を進めていく。 それらを通して、開発した尺度の活用に向けた普及啓発、構築したモデルを用いた実践への提言を行っていく。特に保健師現任教育へ活用するためのフィールドを学会等で開拓するとともに、実用可能性を検討していく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究成果の学会発表、普及啓発、学会誌投稿等が今後必要であり、次年度に実施予定である。
|
次年度使用額の使用計画 |
本研究の成果を、国際学会および国内学会で発表・意見交換し検討を加え、国際学会誌、国内学会誌に投稿、公表していく。
|