研究課題/領域番号 |
26463580
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
泊 祐子 大阪医科大学, 看護学部, 教授 (60197910)
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研究分担者 |
竹村 淳子 大阪医科大学, 看護学部, 准教授 (00594269)
古株 ひろみ 滋賀県立大学, 公私立大学の部局等, 教授 (80259390)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 医療的ケア / 看護師の専門性 |
研究実績の概要 |
1.看護師専門研修のプログラムの検討 医療的ケアに携わる看護師は、学習面での支援の仕方や役割の取り方に悩んでいたが、昨年度の中堅となった看護師を対象とした調査結果では、①学校生活における危機管理、②授業に臨めるように体調を管理する、③安定した体調で成長を支える、という役割の要素が明らかとなった。学校看護師の離職率が高く1~2年となっており、学校看護師の定着を図るには、研修プログラムに学校での看護師としての役割獲得の促進できる内容を盛り込む必要があると考えた。そこで、「看護師同士の交流の場」を設け気軽ではあるが、単なるサロンではなく、建設的な討論ができるように、テーマを「学校看護師の活動における判断(3時間)」とした。もう1つには看護師の判断の根拠となる実践的な知識として、けいれんの見極めが必須であるので、疾患の学習に「難治性てんかんーけいれんのアセスメントー(2時間)」と組み合わせ1日(5時間)のプログラウとした。 2.研修会の評価 研修会への参加者は1府2県から24人であった。討論の具体的内容は、これまでに自分が気になった事例を話し合ったり、各学校での連絡調整の具体的方法や、児童生徒への直接ケアではない、記録などの時間の取り方、児童生徒へのケアの教員との連携の仕方であった。学校看護師としての活動の判断として、障壁となっていることは、「保護者の意見を優先する対応」と看護師としての「専門的判断」を優先してもらえず、子どもの体調の管理への責任があいまいになる点であった。また大きな課題として、重症心身障がい児の呼吸困難に関する保護者との見方の違いがあがった。重症児のしんどさを如何に保護者や教員に分かってもらえるのか、重症児の身体的苦痛の代弁者になりうるのかという点であった。そこが看護師の専門的領域と考えられるので、今後の検討課題とした。重症児の人権、倫理的観点ととらえた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
特別支援学校への調査が難しく、回収率を上げる方法の検討、調査対象者の確保方法、対象者の選定に時間を要したためである。
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今後の研究の推進方策 |
調査の促進について、研究組織を拡大し、大学院生や助教に研究協力者となってもらった。また、調査作業を急ぐために、アルバイトの雇用を予定している。 調査対象者の検討については、1つには、学校看護師を対象する調査は、面接調査に切り替え、研修等での参加者に調整依頼を行い、同意の得られた方から縁故方法を用いることにした。2つめの調査は、研究目的に変更はしないが、角度を変え、学校看護師を監督し、学校での医療的ケアの席院者である学校長あるいは教頭に調査対象者を変更し、調査票を開封する人とした。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査研究が遅くなり、その予算が残った。
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次年度使用額の使用計画 |
1.調査を2回行うので、データ入力を外部委託しその経費とする。 2.一つの調査は、アンケート調査を行うので、その通信や調査票の印刷費等にあてる。 面接においては、研究対象者には交通費程度の謝金を支払う予定である。
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