(目的)特別支援学校における学校看護師の実施する医療的ケア項目と一日の業務内容と回数、そのケアに対する意識を明らかにする。 (方法)全国の看護師配置のある特別支援学校(盲学校は除く)427校の学校看護師1450名のうち回答のあった401名のうち328名が有効回答とした。 実施期間:平成28年9月から平成29年3月 調査内容:①対象者の属性②看護師配置状況③看護業務項目④看護師業務の現状評価 (考察)学校看護師のケアは多岐に亘り看護技術として高度な知識と技術を要する項目のものも多数見られた。単独で配置されている学校看護師は、的確な判断を迫られており、負担を感じていると考えられる。保護者の希望によるケアなども見られた。学校看護師の業務であるか検討されなければならない項目もあり、保護者と看護師の取り決めではなく教員・養護教諭を含めたケアの検討が必要である。ケア内容だけでなく多くの看護師の配置のある学校では常勤・非常勤の業務が異なる様子も見られ看護師間の問題も負担につながっていた。学校看護師は、放課後、教員や保護者への報告や勤務時間外の医療的ケアが出来ない事から、仕事に対する不全感がみられた。常勤での学校看護師の採用にすることで、教員や保護者との連携・相談できる時間となる。高度な医療を必要とする児童生徒が増えるとされるこれから、特別支援学校の看護師は緊急時を想定して看護師の単独配置ではカバーしきれないと考える。特別支援学校の医療的ケアを必要とする子どものニーズの理解として、児童生徒が教育を受けたいとするフェルトニーズと担当医や看護師など専門職が必要と判断する医療的ケアであるノーマティブニーズがあり、学校看護師はこの両方のニーズを理解したうえでケアに当たることが必要となる。学校生活を安全に安心して生活することを支えることが、児童生徒が自己成長したいというニーズを実現できることにつながる。
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