研究課題/領域番号 |
26463583
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研究機関 | 九州看護福祉大学 |
研究代表者 |
福本 久美子 九州看護福祉大学, 看護福祉学部, 教授 (40465787)
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研究分担者 |
中川 武子 九州看護福祉大学, 看護福祉学部, 講師 (20389547)
戸渡 洋子 熊本保健科学大学, 保健科学部, 講師 (40623509)
坂口 里美 九州看護福祉大学, 看護福祉学部, 助教 (50435161)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ソーシャルキャピタル / 健康 / 高齢者 / 地域特性 |
研究実績の概要 |
1)研究目的:高齢者の健康度とソーシャルキャピタル(以下「SC」)の醸成に関する地域間格差を明らかにし、地域特性に基づくSCの醸成のあり方を提言することである。 2)研究方法:研究全体は第1次調査(質的調査)と第2次調査(量的調査)である。初年度実施の第1次調査は人口減少が著しい過疎地域と人口増加地域の自治体における地域組織活動を行っている住民及び保健師を対象に、グループインタビュー法(以下「住民調査」)及び半構成面接法(以下「保健師調査」)とした。対象地域は、全研究計画について承諾を得た自治体であり、住民調査は地域組織活動を担っている住民のうち10名程度を選定し、各自治体で調査の趣旨等を説明し了解を得た者とした。保健師調査は、統括・中堅・自治体内で最も若い保健師とした。調査の実施場所は調査対象者が希望する場所とした。インタビュー項目は地域の健康課題とその解決方法、地域のSC力等に関する項目とした。分析方法は逐語録を基に、共同研究者で共通言語をカテゴリー化し、地域の特徴、健康とソーシャルキャピタルの特徴、その醸成に影響を与える事項等を整理することとした。さらにその結果を第2次調査の調査項目の参考とする。 3)結果及び進捗状況:対象地域は、人口減少が著しい過疎自治体は2町(高齢者比率39.9%と35.9%:平成22年度国勢調査)と人口増加地域の自治体は地方都市区役所の小学校区(23.3%)の承諾を得た。過疎自治体のうち1町は山間と漁業地域の住民代表、及び自治体の健康づくりプロジャクトの代表に対する住民調査を行った。2市町は地域全体で組織化された健康づくりを推進する住民代表に対し住民調査を行った。また、自治体保健師は2町及び地方都市区役所内の統括保健師・中堅保健師・若い保健師各3名に対するインタビューを終えた。各調査の逐語録を作成し、カテゴリー化を行い、その分析途中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
質的調査から量的調査までの研究全体に関して、人口増加地域の承諾が得にくく、対象地域の選定に時間を要したため調査開始が遅れたこと、及び逐語録の作成に時間を要したため調査結果の分析が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
1)対象地域住民調査は、各地域毎の特徴を明らかにするとともに、過疎地域と人口増加地域の比較、山間と漁業地域の比較分析を行い、その結果について各地域に報告し、第2次調査項目に関する意見を聴取し、第2次調査票の作成の参考とする。 2)自治体保健師(統括保健師・中堅保健師・若い保健師各3名)のインタビュー結果についても同様の分析を行い、地域特性を踏まえ健康とソーシャルキャピタルの醸成に寄与する保健師の役割を明らかにする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、調査対象地域の住民調査に伴う謝礼金を申請額より少額としたこと、及びインタビュー結果の逐語録作成を学生に依頼したため時間単価が本学規定額のため少額となったこと、及び学外分担研究者に対する研究分担金を使用せず返納があったことである。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度、収集した質的データの分析に関する指導旅費、研究補助員の雇用及び学外分担研究者への研究分担金の増額に充てる。さらに、最終年度の第2次調査(質問紙調査)を行う際の費用に充てる予定である。
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