研究課題
【研究目的】アルツハイマー病は、超高齢化社会において、最も重要な神経変性疾患である。しかし、発症機序は不明な点が多く残されており、治療のみならず予防・進行遅延法も確立されていない。本研究は、先行知見(■小胞体ストレスにより発現誘導された転写因子ATF4がアミロイド-β産生を促進する[培養細胞]、■機能性食品成分[ケルセチン]はGADD34の発現を誘導することによりATF4の発現を減少させ,アミロイド-β産生を抑制する、□ケルセチンが正常加齢マウスの記憶・学習を改善する)に基づき、アルツハイマー病モデルマウスを用い、脳内ATF4タンパク質の発現と記憶・学習障害に対するケルセチン及びその標的タンパク質GADD34の作用機序を明らかにする。それにより、発症予防法の確立に重要な病態機序の解明を到達目標とする。【研究成果】平成27年度は、アルツハイマー病モデル(APP23)マウス接種に必要なレンチウイルスを作成し、脳内での発現を検討した。また、APP23マウスと肥満マウス(Leprdb/db)を交配し、肥満を伴うアルツハイマーモデルマウスを作成した。このマウス脳内のタンパク質の変化を解析し、APP23マウスに比べ早期に脳内ATF4タンパク質の発現が上昇していることを確認した。
2: おおむね順調に進展している
転写因子ATF4の発現上昇が肥満を伴うアルツハイマー病モデルマウス脳で確認した。さらに、論文として発表した。
APP23マウスに高効率のGADD34ΔNレンチウイルスを接種し、eIF2αリン酸化-ATF4シグナルによる認知機構への作用をマウス個体にて解明する。
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Neurobiology of Aging
巻: 36 ページ: 2509-2518
10.1016/j.neurobiolaging.2015.05.006
http://www1.gifu-u.ac.jp/~neurobio/