小児のアトピー性皮膚炎(AD)発症に関して、母乳による育児は賛否両論あるが、科学的には確定していない。 完全母乳栄養・育児(母乳のみで育児)の母子の出生コホート研究において、AD発症群と非AD群において、「母乳成分の何が違うのか?」という観点から母乳中の自己成分による炎症性サイトカイン産生誘導活性(DAMPs活性)の比較検討を行った。我々の結果から、その活性物質は飽和脂肪酸である事が同定できた。 では、飽和脂肪酸がどのような機構で皮膚や消化管に存在する自然リンパ球で炎症性サイトカイン産生を誘導・増強し、それがどのようにアレルギー疾患発症(特にアトピー性皮膚炎発症)に繋がるのかを明らかにした。
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