慢性腎臓病(CKD)におこる栄養障害の主因は、炎症であるが、それに腸管の透過性亢進や腸内細菌叢の変化が関与しているか否か調べた。腸管透過性の評価法では、分子量4000の蛍光デキストリンを用いると、CKDラットの腸管透過性を評価できた。CKDラットでは、腎機能が著しく悪化すると、腸管透過性が亢進したが、体内の炎症は、これより早期に悪化しており、腸管透過性の亢進が炎症反応を引き起こすという仮説は否定された。CKDモデルラットにビフィズス菌と難消化性デンプンを投与すると、炎症と腎機能の改善が見られたが、その理由は明らかでなかった。
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