本研究では、異文化間ケアが進んでいるオーストラリアを対象に研究を進めた。その結果、①移住高齢者のケア問題を連邦政府や州政府レベルで行っていること、②移住高齢者のための予防教育プログラムの充実化が図られていること、③移住高齢者の在宅ケアにおいては、同じ国籍出身者がケアスタッフとして配置されることによって、異文化間ケアの場で生じ得る葛藤問題を克服している。また、当事者(同じ国籍出身者)による移住高齢者への福祉支援が行われている。よってオーストラリアでは、外国人移住高齢者を包摂する社会福祉システムを構築している。
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