研究課題/領域番号 |
26502002
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
木原 秀樹 東京大学, 教育学研究科(研究院), 研究員 (70721653)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 早産児 / 自発運動 / 発達ケア |
研究実績の概要 |
早産児・低出生体重児を対象に、過去に新生児期(修正36-43週)と乳児期早期(修正49-60週)にビデオ記録している症例の自発運動データおよび関連データ(周産期・哺乳・ポジショニング・新生児神経学的発達評価データなど)と発達の関係の検証を行った。自発運動および関連データのデータベース化、自発運動のビデオ記録および修正6ヵ月・修正1歳6ヵ月・3歳・5歳6ヵ月の発達・知能検査を継続して実施した。 データベースからいくつかの解析を行った。極低出生体重児の新生児期と乳児期早期の行動と発達の関連性の知見、極低出生体重児の新生児期のポジショニング期間と筋緊張の関連性の知見、筋緊張と行動の関連性の知見、新生児の哺乳不良の要因および哺乳不良と発達の関連性の知見、自閉症スペクトラム障害および脳性麻痺の乳児期早期の自発運動の予測指標の知見を得た。これらは学会で発表した。 さらに、極低出生体重児の新版K式発達検査の修正6ヵ月・修正1歳6ヵ月、3歳の結果と自閉症スペクトラム障害の関連を検証した論文がEarly Human developmentに採択された。極低出生体重児の新生児期の新生児神経学的発達評価の結果と6歳時の発達(定型発達・非定型発達・自閉症スペクトラム障害・脳性麻痺)の関連を検証した論文が日本周産期新生児医学会雑誌に採択された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
極低出生体重児の新生児期と乳児期早期の行動と発達(定型発達・知的障害・自閉症スペクトラム障害・脳性麻痺)の関連について論文の作成を行っている。論文の投稿には至らなかったものの、論文作成の過程に時間をかけることにより、より深いデータの整理、よりわかりやすい論文表現の調整などを丁寧に行うことができた。 また、極低出生体重児の新生児期のポジショニング期間と筋緊張の関連性、筋緊張と行動の関連性の知見について、学会発表を行い、論文作成に取りかかる。
|
今後の研究の推進方策 |
極低出生体重児の新生児期と乳児期早期の行動と発達の関連について論文を作成し、学術誌に投稿する。研究結果から新生児期と乳児早期の発達予測に利用できる行動指標を選定し、臨床での応用を検証する。 早産児・低出生体重児の新生児期と乳児期早期の自発運動および行動をコンピューター上に軌跡化するソフトを開発し、臨床での利用と普及について検証する。 極低出生体重児の新生児期のポジショニング期間と筋緊張の関連性、筋緊張と行動の関連性について論文を作成し、学術誌に投稿する。新生児期の発達ケアの一つとして行われているポジショニングについて、臨床での見解をまとめる。 発達ケアの一つとして行われている新生児期から退院後にかけての早期リハビリテーションについて影響を検証する。 自発運動のビデオ記録および修正6ヵ月・修正1歳6ヵ月・3歳・5歳6ヵ月の発達・知能検査を継続して実施する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
極低出生体重児の新生児期と乳児期早期の行動と発達の関連について論文の作成を行っていたが、論文作成の過程でより深いデータの整理、よりわかりやすい論文表現の調整などを丁寧に行い、学術誌の投稿まで至らなかった。 また、極低出生体重児の新生児期のポジショニング期間と筋緊張の関連性、筋緊張と行動の関連性の知見について、学会発表を行い、論文の作成まで至らなかった。
|
次年度使用額の使用計画 |
極低出生体重児の新生児期と乳児期早期の行動と発達の関連について論文を学術誌に投稿する。また極低出生体重児の新生児期のポジショニング期間と筋緊張の関連性、筋緊張と行動の関連性の知見についても論文を作成し、学術誌に投稿する。
|