早産児・低出生体重児を対象に、2000年から新生児期(修正36-43週)と乳児期早期(修正49-60週)の全身運動をビデオ記録した症例の自発運動および関連データ(周産期・哺乳・ポジショニング・新生児神経学的発達評価データ)と発達データ(修正6ヵ月・修正1歳6ヵ月・3歳・5歳6ヵ月の発達・知能検査データ)のデータベース化を行った。また、自発運動および関連データと発達の関係の検証を行った。 研究の成果としては、新生児期の哺乳機能の口唇探索反応の減弱と乳児期の運動発達の遅れに関係がある、新生児期のポジショニングにより屈筋緊張は高まるが行動発達との関係はない、定型発達の行動発達では、新生児期は回旋・分離・接触行動、乳児期早期は正中位指向・四肢の末梢の分離運動が多く見られるなどの検証結果を学会で報告した。新生児期の新生児神経学的発達評価のトータルスコアが低値であることと脳性麻痺および非定型発達に関係がある、自発運動のコンピューター解析では、発達遅滞の新生児期の自発運動は平均速度が遅い・運動量が少ない動きが突発的・四肢が同期して動く、脳性麻痺の新生児期の自発運動はスムースさに乏しいなどの検証結果がDevelopmental Medicine and Child Neurology、Early Human developmentなどの論文で採択された。 最終年度では、極低出生体重児における四肢の屈筋緊張とポジショニング期間の関係、Fidgety movements観察評価と四肢運動特性の関連などを学会で報告した。
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