研究課題/領域番号 |
26502006
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
濱田 裕子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60285541)
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研究分担者 |
藤田 紋佳 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10437791)
瀬藤 乃理子 甲南女子大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (70273795)
木下 義晶 九州大学, 大学病院, 准教授 (80345529)
古賀 友紀 九州大学, 大学病院, 助教 (60398071)
落合 正行 九州大学, 大学病院, 助教 (90507782)
賀来 典之 九州大学, 大学病院, 助教 (50600540)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 子どもを亡くした家族 / グリーフケア / インタビュー |
研究実績の概要 |
子どもを亡くした家族の悲嘆のケアプログラムを作成するために、家族の体験からケアニーズを明らかにすることを目的に個別にインタビューを行い、また子どもの看取りに関わった専門職にもヒアリングを行った。 研究参加者は子どもを亡くした9組14名の家族(母9名、父4名、祖母1名)と専門職7名(小児科医、NICU医、小児救急医、在宅医・訪問看護師)であった。 家族の体験は、子どもの疾患特徴として「周産期に先天性疾患の診断をうけ出生直後からNICU(新生児集中治療室)に入院したケース」と「子どもの成長の過程で小児がんと診断されたケース」があり、在宅での看取りが1例ずつ、ホスピスで最期を看取ったものも1例いた。前者(6名)の闘病体験は【子どもの誕生と同時に親につきつけられる子どもの命の限界】であり、特にNICUで亡くなるという事は、子どもと一緒に家で過ごす経験が持てないままに子どもを看取らなければならず、子どもへのケアと同時に、【親になること】と【子どもを看取ること】の両方を支えていくケアニーズが特徴的であった。一方で後者の場合は、突然の小児がんの診断、治療に始まり親は【できる限りのことをしてほしい】と子どもとともに【闘病の渦中】に入り、【親が治療法を選択することの難しさ】を感じていた。 子どもの死後、親は【悲しみ】や【子どもに会えない辛さ】、【苦しさ】、【悔しさ】や【怒り】を抱え、自らの【生きる意味を喪失】するものもいた。しかし、生前の【子どもの頑張り】をみつめ【我が子の生きた意味を模索】し、子どもの【魂との対話】を重ね、【子どもからのメッセージ】を受け取り、そのほとんどが【子どもとの一体感】を得て、【子どもが頑張ったことを伝えたい】、【子どもがつなげてくれる人との繋がり】を感じて前に踏み出そうとしていた。 また、家族に関わる専門職も看取りの場の特徴もあり、遺族ケアの課題を感じていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
子どもを亡くした家族を対象にインタビューを行う研究であり、倫理委員会の承認を得るのに時間がかかったため、個別インタビューは予定通り行えたが、グループインタビューには着手できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は個別インタビューを数名追加するとともに、個別インタビューを実施した家族を中心にグループインタビューを行ってケアプログラムの作成に取り組んでいく。
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次年度使用額が生じた理由 |
グリーフケアプログラムの作成のために海外調査旅費を盛り込んでいたが、業務との兼ね合い等で日程調整ができずに、次年度に海外調査を実施することとなったため。 また、個別インタビューまでに時間がかかり、フォーカスグループインタビューを次年度にもちこすことになったため。
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次年度使用額の使用計画 |
海外旅費を含む調査旅費およびテープおこし等、分析のための人件費や対象者へのグリーフケアに関するリーフレットの作成に使用させて頂く予定。
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