本研究では、「ケイパビリティ」の概念に着目して、「自立支援」の評価に資する、認知症高齢者に対するケアのアウトカム(心理社会的QOLへの効果)を把握するための評価の要素や手法について検討する。さらに「ケイパビリティ」の概念に基づくイギリスのアウトカム評価指標ASCOT施設版を日本の介護現場に適用する際の意義や課題を整理する。 文献研究やヒアリング調査を通して、支援者には「パーソンフッド」の価値理念を共有した上で、認知症の人の意思や選好の表出がしやすく、意思決定支援が受けられる環境を整え、「自律」「達成」「関係性」を含む要素を、DCMの手法を参考に観察や記録により評価することが有用であるといえる。
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