国内外のフィリピン人看護師の聞き取り調査と文献調査から主に以下のことがわかった。外国人ケアワーカーの異文化適応におけるコミュニケーションの問題には、看護の実践とコミュニケーションスタイルの文化的相違が影響していた。適応に必要な文化-社会的スキルは日常的なコミュニケーションを通してインフォーマルに学んでいた。もともと民族的・言語的に文化的多様性の高いフィリピン人看護師にとっては、そこがどこの国かよりも、適応すべき環境が文化的に多様であるかどうかのほうがより重要であった。現地の文化や看護実践の方法を受け入れつつも同化するのではなく、フィリピン流の素晴らしいケアを提供したいという意識がみられた。
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