研究課題/領域番号 |
26503004
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
中谷 広正 静岡大学, 情報学研究科, 教授 (80109131)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 伝統モンゴル文字 / 史料画像 / 文字認識 |
研究実績の概要 |
(1) 伝統モンゴル文字認識に適した史料画像処理手法の開発: モンゴル史料をシステムに入力する際には史料の特性や保存状態によって得られる史料画像の画質が異なる。この画質の変動を吸収した上で画像中から単語領域を切り出すのに適した雑音除去法・濃度修正法・画像強調法・幾何学的補正法について考察した。本年度は特に濃度修正法・2値化について実験と関連機能の実装を進めた。 (2) 単語・文字・文字要素の検出・認識に適した幾何学的特徴・統計的特徴に関する考察: 史料中に存在する単語・文字・文字要素の幾何学的特徴について考察した。そして、実際の史料を対象とした実験によって伝統モンゴル文字認識に有用な特徴として各単語に現れる直線形状が単語・文字・字素の検出・認識に有用であることを確認した。 (3) 伝統モンゴル文字認識手法の開発: 伝統モンゴル文字の各単語に現れる直線形状に基づいて単語を認識する手法の研究を進めた。本年度は文字要素の認識について考察した。そして、文字線分上にある任意の2点について相対位置を集計したものを大域的特徴として用いて、相対位置の分布を学習することによって文字要素を認識する手法を開発した。さらに、モンゴル文字に存在する同形異義字についても、その判別について考察した。 (4) 伝統モンゴル文字認識システムの機能設計: 上記(1)-(3)の検討を踏まえ、伝統モンゴル文字普及の要求にも応えうるシステムに対する要求仕様について考察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
伝統モンゴル文字認識システム開発のために必要な、伝統モンゴル文字認識に適した史料画像処理手法の開発、単語・文字・文字要素の検出・認識に適した幾何学的特徴・統計的特徴に関する考察、統計的特徴を用いた伝統モンゴル文字認識手法の開発、伝統モンゴル文字認識システムの機能設計について研究できた。
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今後の研究の推進方策 |
(1) 伝統モンゴル文字認識に適した史料画像処理手法の開発 (2) 伝統モンゴル文字の単語・文字・字素に関する統計的特徴の取得 (3) 統計的特徴を用いた伝統モンゴル文字認識手法の開発 (4) 伝統モンゴル文字認識システムの開発 は重要な課題であり引き続き研究を進める。
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