研究課題/領域番号 |
26503007
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
藤井 浩基 島根大学, 教育学部, 教授 (50322219)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 文化芸術教育振興 / 韓国 / 音楽 |
研究実績の概要 |
現代韓国における文化芸術教育振興の現状について,これまで音楽教育を中心に情報・資料収集を行ってきたが,2016年度は,音楽との関連を基軸にした上で,韓国の舞踊にも目を向け,舞踊研究者との交流を通じて研究の展開を図った。 具体的な成果としては,2016年8月26日に韓国・ソウルの国立劇場タルオルム劇場で開催された第3回大韓民国伝統舞踊フェスティバル「韓成俊舞踊の始原と拡散」への招聘を受けて,「日韓協働による文化芸術振興の事例研究:韓国の舞踊家・舞踊研究者と日本の音楽家・音楽研究者による舞踊作品復元への取り組み」について,ショートレクチャーを行った。 舞踊における「文化芸術教育支援法」と「芸術家福祉法」の現状や課題については,2016年6月に,韓国芸術総合学校,韓国伝統舞踊研究所「研駱齋」他で研究者やアーティストへの聞き取り調査を行った。 「現在までの進捗状況」で後述するように,本務との兼ね合いから,当初予定していた成果公開(学会発表等)を見送らざるを得ず,十分なアウトプットができなかった。そのため補助事業期間延長により2017年度も研究を継続する。なお,共著書(吉富功修・三村真弓編著)『小学校音楽科教育法―学力の構築をめざして―』の第3版改訂(2017年)に際し,担当した第7章第1節「韓国の音楽科教育―日韓交流の視点から考える音楽科教育の役割と展望―」において,「国家戦略としての文化芸術振興と音楽科教育」の項目を新たに立てて加筆し,本研究による知見を反映させた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初学会発表による成果公開を計画していたが,本務での管理・運営業務(特に入試)のため日程が重複し,断念せざるを得なかった。また,韓国での資料収集・聞き取り調査において,当初予定していた音楽関係者との調整がつかず,音楽に関わっての資料・情報の蓄積が不十分であった。その分,舞踊関係者と研究交流を進めることで補うとともに,多角的な視点からの韓国の文化芸術振興の実態について新たな知見を得て,研究の進展を図った。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度であり,成果公開を中心に研究を進めていく。昨年度できなかった学会発表を行う予定で,目下日程調整中ある。なお,韓国の文化芸術振興に関わって,時間が経るにつれて,初年度の調査で得た情報や資料の内容のうち,若干変わってきているものもあり,成果公開の際には,これらの再確認が必要だと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
本務の管理・運営業務(入試関連)により,日程の重複から予定していた学会発表を見送らざるを得なかったためその出張旅費と,学会発表の準備に係る資料・情報収集の出張旅費について,残額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
学会発表のための出張旅費,これまでの研究の整理と成果公開,専門的知識の提供に係る謝金等,それらに派生する消耗品等に充当する。
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