北アイルランドにおいて歴史をどのように学ぶのか、学校教育と地域メディア(壁画)の関係に注目しながら検討し、以下の知見を得た。1)学校教育における歴史教育の内容については、蒐集した書籍および修了試験の分析からは、比較的バランスのとれたものになっていることがわかる。2)しかし学校制度のあり方から多くの生徒にとって、詳しく歴史を学ぶ機会は限られている。したがって地域住民の歴史認識の点で、公教育の影響は、限定的なものになる。3)壁画に描かれるイメージと教科書に掲載されている挿絵や写真には、相互参照が一部の歴史的出来事においてみられた。
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