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2014 年度 実施状況報告書

博物館における「負の記憶」の展示表象とその成立プロセスに関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 26503011
研究機関桜美林大学

研究代表者

金子 淳  桜美林大学, 人文学系, 准教授 (00452178)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード博物館 / 展示 / 表象 / 記憶
研究実績の概要

本研究は、戦争や公害、災害といったいわゆる「負の記憶」が、博物館展示という場においてどのように表象され、その展示空間にはどのような政治的な力学が作用しているのかを実証的に明らかにすることを目指すものであるが、初年度となる2014年度においては、文献収集を中心とした基礎調査に注力した。各博物館において発行されているガイドブック・展示図録・パンフレット・研究紀要など、各館の活動状況を把握する資料を入手したほか、先行研究に関する文献など多岐にわたる資料収集を行いつつ、研究課題全般に関する把握に努めた。あわせて、予備調査として、主に四日市公害に関する現地調査を実施した。三重県四日市市では「四日市公害と環境未来館」を2015年3月下旬にオープンすることになっているため、開館に先立って現地における公害の記憶の状況を調査し、実際の展示との関係や反映状況を検証する際の基礎データを得た。また、県立レベルの事例として、2014年4月にオープンした三重県総合博物館において戦争や災害などの「負の記憶」の展示の状況についても調査した。一方、特別展・企画展レベルにおける災害・震災に関する展示も対象としたが、奇しくも2014年度は阪神淡路大震災20周年にも当たっていたため、とりわけ震災関連の展示が多く、これらの展示から「負の記憶」に関する展示のメッセージや手法等について、その概要や傾向を把握することができた。以上の調査結果を踏まえ、次年度以降の詳細な調査項目の検討を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

精力的に資料収集を進め、ガイドブック・展示図録・パンフレット・研究紀要などの資料収集が進んだ。とりわけ2014年度は震災関連の展示が各地で比較的多く開催されていたため、調査対象となる展示や取り組みが増加していたことがその背景として考えられる。また、三重県四日市市での現地調査を実施し、四日市公害に対する自治体、市民団体等の認識や姿勢、およびその温度差の実態にも接することができた。これらの成果は、今後の研究において十分に活かし得るデータになると思われる。

今後の研究の推進方策

今後はさらに調査対象を拡大し、実際の展示内容の確認を行うなど本格的な調査に着手する。展示手法、解説パネルの文言、映像や写真の選択、展示資料の種類などのデータを集積することに力を注ぐとともに、引き続き資料収集・文献収集を進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

概ね計画通りの執行ができた。1,007円の残額は、消費税も含め端数ピッタリの物品の購入ができなかったためである。

次年度使用額の使用計画

1,007円の残額は、次年度において物品費に加算して執行する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 原子力をめぐる展示とコミュニケーション──博物館における負の記憶の展示との関連から2014

    • 著者名/発表者名
      金子 淳
    • 学会等名
      日本科学史学会生物学史研究会
    • 発表場所
      東京大学駒場キャンパス
    • 年月日
      2014-04-26
  • [図書] 博物館の理論と教育2014

    • 著者名/発表者名
      金子 淳(分担執筆)
    • 総ページ数
      185
    • 出版者
      朝倉書店

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公開日: 2016-05-27  

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