研究課題/領域番号 |
26503015
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研究機関 | 大谷大学 |
研究代表者 |
柴田 みゆき 大谷大学, 文学部, 准教授 (50321063)
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研究分担者 |
三浦 誉史加 大谷大学, 文学部, 准教授 (00440868)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 系図 / 紋章 / 家紋 / 系図表示システム |
研究実績の概要 |
2014年度はイギリスの紋章に対する調査分析を中心に行い、以下の3点を中心に、学会での発表という形で社会へのフィードバックを行った。 (1)研究代表者と研究分担者は、イギリスの紋章研究に対し、最も盛んに行われたという17世紀前後を中心に文献調査を行った。この過程で、イギリス社会において紋章を持ちうる階層以外にも広く理解されるものであったとの従来の視点を再確認する必要性を感じた。そこで、この時代に最も活躍した劇作家であるシェイクスピア作品に的を絞り、テキストマイニングを利用して分析したところ、同時代における一般社会での紋章の認知度とその重要性を再確認することができた。 (2)前項2名により、同時期迄のイギリスで判明している系図表示ルールに対する情報収集と整理を行った。 (3)前項の調査結果をふまえ、研究代表者・連携研究者と研究協力者により、系図表示システムを制作する研究協力者とともに、前掲で整理できた系図表示ルールをもとに、将来の系図表示システムとの連携を前提として、ふさわしいデータセットのあり方を検討した。この結果、従来の系図表示システム間でデファクト・スタンダードとなっているデータベース GEDCOM の基本データセットでは、紋章の持つ情報を表しえないことが明らかとなった。そこで、新たなデータセット試案を検討することにした。 学会発表の場では、日本の中世迄の家紋や紋章そのもののメタデータ化に対するご意見を多く頂戴することができた。これらについては新たな重要な検討課題として認識している。本研究の今後に活かすことができる点は積極的に取り入れたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究をすすめるうちに、イギリス社会における紋章を持ちうる階層以外にも紋章が広く理解されるものであったとの従来の視点を、再確認する必要性が生じた。このため、その検証に割く時間が、本来の研究を行う時間に食い込んだ。但し、これは以後4年の間で取り戻せる遅れであると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
2014年度の遅れを取り戻すため、2015年に予定していた英国への調査旅行は、2016年度に延期する。そして、2015年度は2014年度に十全に行えなかった文献調査と整理を引き続き行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
紋章に関する海外資料2冊分の購入予算として計上していた額を、使うことができなかった。高額図書であり、本研究申請時よりも優れている可能性のある本がその後に発見される等、検討すべき点が多かったところ、その検討に十分な時間を割くことができなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
2015年度中に検討のための時間を取り、妥当とみなされた分に対し研究計画にあわせ執行し、変動が生じた場合は2016年度以降に計画する渡航時の資料購入費として転用する予定である。
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